~なぜ七十五剱の言霊ツルギを稽古するのか
<祝詞~感謝祈願詞(みやびのことば)より>
『言霊の助けによりて大神の御心を直覚(さと)り、
鎮魂帰神の神術(みたましずめのみわざ)
によりて村肝の心を練り鍛へしめたいて・・・』
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<出口王仁三郎聖師>
言霊の水火の活用知らずして
わかるべしやは神世の物語
行き詰り ゆき詰りたる世を拓く
力と光は言霊の幸なり
言霊の学びは総ての基(もとい)なり
其の他の学びは末なりにけり
世の中の一切万事は言霊の
光によりて解決するなり
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<出口王仁三郎聖師>
霊界物語 霊主体重 亥の巻抜粋
天の岩戸
中略・・・・すでにその前に天の児屋根命、
これは祭祀のことを掌つた神様、
後には中臣となつて国政を料理した
藤原家の先祖であります。
この神様がその時天神地祇にお供へをしたり、
太玉命が太玉串を奉つて神勅を受け、
一方占の道によつて、万事万端、
ちやんと手筈が整つてあつたので御座います所へ
案の如く天照大御神様は、
『愈奇しと思ほして』
そつと細目に戸をお開けになつた。
するとそれがパツと鏡に映つたので、
『天の手力男神、其手を取りて引き出しまつりき』
その間に布刀玉命が注連繩をその後に引き渡して、
此処より中にはもうお入り下さいますなと申した。
これで天地は照明になつた。
この鏡に天照大御神の御姿が映つたとありますのは、
つまりは言霊で御座います。
八咫の鏡は今は器物にして祀られて
天照大御神の御神体でありますが、
太古は七十五声の言霊であります。
各々に七十五声を揃へて来た。
すなはち八百万の誠の神たちがよつて来て
言霊を上げたから岩屋戸が開いたのであります。
天津神の霊をこめたる言霊によつて再び
天上天下が明かになつたのであります。
決して鏡に映つたから自分でのこのこ御出ましに
なつたと言ふやうな訳ではありませぬ。
つまり献饌し祝詞を上げて
鎮魂帰神の霊法に合致して、
一つの大きな言霊と為して天照大御神を、
見事言霊にお寄せになつたのであります。
それから注連繩、これは七五三と書きます。
その通り、この言霊と云ふものは総て七五三の波を
打つて行くものであります。
さうして注連繩を引き渡してもう一辺岩屋戸が開いた
以上は、再び此が閉がらぬやうにと申上げた。
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<武の神々にならう言霊の妙用>
~言霊ツルギの道にある者の対応例
霊界物語 霊主体重
第二四章 言霊の徳〔五二〇〕
手力男神は正門に現れ、儼然として敵軍の襲来を
心待に待つて居る。
天菩比命は数多の軍勢を引連れ、
軍卒は手に手に松明を持ち、
四辺に火をつけ焼き滅ぼしつつ進み来る。
後よりは一隊の軍勢、血刀を振つて登り来る。
その光景恰も地獄道の如く思はれけり。
菩比命は門前に現れ、手力男神に向ひて、
菩比命『オー、汝は何神なるか、速須佐之男の悪逆
無道なる邪神に従ふ曲津神、我は天教山に在します
撞の御柱神の神命を奉じ、汝等を征伐せむが為に
立向うたり。
最早この嶋は殆ど焼き尽し、汝等が部下の将卒は、
大半刃の錆と消え失せたれば、
最早抵抗するの余力もなかるべし。
イザ尋常に此門を開き降伏せよ』
と馬上に跨つた儘、威丈高に呼はり居る。
手力男神は莞爾として、門を左右にサツと開き、
『サアサア、門は斯の如く開放致しました。
何卒御自由に御這入り下さいませ。
数多の軍卒等に於ても、嘸お疲れで御座いませう。
是丈の嶋に火を放つて焼きなさるのも
並大抵の御苦労では御座いますまい。
御蔭でこの嶋を荒す猛獣毒蛇も殆ンど全滅致しました。
お腹が空いたでせう、喉がお乾きでせう。
此処に沢山の握り飯、酒も用意がして御座います。
何万人のお方が御上り下さつても恥を掻きませぬ。
どうぞ緩りと御上り下さいませ。
その様に恐い顔をして、肩臂怒らし、
固くなつて居られては御肩が凝りませう。
我々は善言美詞の言霊を以て、直日に見直し宣り直す、
神須佐之男大神の御神慮を奉戴するもの、決して決して
酒にも飯にも毒などは入れて居りませぬ、
御緩りとお召し上り下さいます様に』
菩比命『ヤアー、汝は百計尽き、毒を以て、
我等を全滅せむとの巧であらう。その手は食はぬぞ』
『是は是は、迷惑千万。然らば手力男が御毒見を致しませう』
と云ひ乍ら、酒樽に柄杓を突き込み、掬うては二三杯
グツと飲み、握り飯を矢庭に五つ六つ頬張つて見せた。
『然らば暫く休息いたす。今の間に館内の者共、
城明渡しの準備を致せ』
『マアマア、さう厳しく仰せられるに及びませぬ。
同じ天地の神の水火より生れた人間同志、
心一つの持様で敵もなければ味方もない、
何れも神の水火より生れた我々、
天下の喜びも天下の悲しみも
皆一蓮托生でござる』
『汝はこの場に望んで気楽千万な事を申す奴、
何か深い秘密が包まれてあるに相違なからう。
左様な事に欺かるる菩火ではないぞ』
『手力男の秘密と申せば七十五声の言霊、
美言美詞の神嘉言の威徳に依つて、
天地清明国土安穏、病無く争ひ無く、
天下太平にこの世を治める、言霊の秘密より
外には何物も御座いませむ』
高杉別はこの場に立現れ、
『オー、手力男殿、唯今奥殿に進み入り、
深雪姫の御前に致つて、御神慮を伺ひ奉るに、
瑞の御霊の御仰せ、言霊を以て荒ぶる神を
言向け和せとの御戒め。
イヤハヤ貴神の遣り方には高杉別も感服致した。
大国別様も貴神と同様の御意見で御座る』
『左様で御座らう。
オー、菩比命様、斯の如く
当館は表は武器を以て飾り、
勇敢決死の武士も数多養ひ居れども、
御覧の如く、貴神が獅子奮迅の勢を以て、
血染焼尽しの攻撃軍に向ひ、悠揚せまらず
御覧の如く、剣は鞘に弓は袋に納まり返つた
此場の光景、刃に血塗らずして敵を喜ばせ、
敵を味方と見做して取扱ふは、
仁慈の神の思召よくよく大神の御誠意を御認識の上、
撞の御柱の大神に具さに言上あらむ事を望みます』
『案に相違の貴神らの振舞、
今まで逸り切つたる勇気も、
何処やらへ消え失せた様な心地で御座る。
ヤアヤア部下の将卒共、菩比命が命令だ、
直ちに甲冑を脱ぎ捨て、武器を放し、
この場に一同集まつて休息を致せ』
此一言に、逸り切つたる数多の将卒は、
武装を解き、この場に喜々として現れ来り、
酒に酔ひ握り飯に腹を膨らせ、歓喜を尽して
踊り舞ひ修羅は忽ち天国と化したり。