本田親徳先生は、近代において
古来の鎮魂帰神法を確立された方で、
出口王仁三郎聖師もかって本田霊学を学んだ。
和良久においても、本田霊学は、
技の基礎を固めるに
なくてはならないものであった。
参考のため本田霊学より一部分を紹介す。
<霊学抄>
皇国固有の霊学は
鎮魂、帰神、太占(ふとまに)の
三つである。
学則
神の黙示はすなわち吾が俯仰観察するに
宇宙の霊体力の三大を以てす。
一、天地の真象を観察して
真神の体を思考すべし。
一、万有の運化の豪差無きを以て、
真神の力を思考すべし。
一、活物の心生を覚悟して、
真神の霊魂を思考すべし。
鎮魂
鎮魂の法は天授の神法にして
現世神界の学則なれば、
上は天皇の治国平天下の御事よりして、
下は人民修身斎家の基本、
続て無形の神界を探知するの基礎なれば、
宜敷朝夕之を懐中に秘し、
事業閑暇は謹て是を省み之を行ひ、
霊魂の運転活動を学習すべし。
帰神
帰神の法を幽斎の法と言う。
幽斎は宇宙の主宰に感合し親しく八百万神に接す。
至大無外、至少無内、過去と現在と未来を問わず
一も通ぜざるは無し。
精神正しければ即ち正神に感合し、
邪なれば即ち邪神に感合す。
<道の大源>
上帝は四魂一霊を以て心を造り、
而して之を活物に賦す。
地主三元八力を以て体を造り、
而して之を萬有に与う。
故に其の霊魂を守るものは其の体、
其の体を守るものは其の霊。
他神有りて之を守るに非ざる也。
是れ及ち神府の命、永遠に易らず。
<真道問対>
問 霊魂に増減有るか
対 増さず減ぜず是れ真の霊魂なり。
問 人魂も亦然るか。
対 善を為せば則ち増し悪を為せば則ち減ず。
問 何をか全力と謂う。
対 動、静。凝、解。引、弛。分、合。なり。
問 何をか全霊と謂う。
対 勇、親、愛、智なり。
問 何をか全体と謂う。
対 剛、柔、流なり。
問 神は呼吸するか。
対 神は固より呼吸す。
故に万物呼吸せざる無し。
問 四魂に経緯有るか。
対 勇ー親は経たり。
智ー愛は緯たり。
<滄海窓問答>
問 役小角の鬼魅を役使せしは何の術ぞ。
曰 人の魔性有る者は、よく魔魅と感ず。
役小角のごときは是れなり。
前に謂はゆる人面獣心とは、
即ち魔性なり。
問 伊勢神宮、其の他の神社等の、
人火に由らずして焼亡
せし者有るは如何。
曰 神の怒りの有る所、激発して火を生ず。
たとえば猶凡人憤れば、
満面発赤して不意に火を生ずる
がごとくにして、火を生ずるなり。
固より魔魅の事を好みて
火を出だせるとは異なり。
霊魂は鍛錬琢磨をを以って貴しと為す。
力は道力(チカラ)の義なり。
体力は第二義なり。
それ道ありてよく体力を発するなり。
まだ体力あらずしてよく道力を発するなり。
是れ御中主神の道力ありて
後に天地万物あるなり。
問 素盞雄神と大国主神とは、
二神にして一神、一神にして二神とは如何。
曰 二神なり。それ素盞雄神は雰囲気を指して
之に名づけ、大国主神は大地球を指して
之に名づくるなり。
問 教へとは何ぞや。
曰 教へとは幽顕の間に立つ者なり。
問 聖人とは何ぞや。
曰 四魂平均して過不及無き、之を聖と謂う。
聖は等差無し。(国訓聖を霊知と曰ふ)
問 霊魂驚悸すれば則ち八力先ず失せて
汗流れ油出づるが若きは如何。
曰 八力は霊魂を支持すと雖も、
霊魂は実によく八力を鼓動す。
八力を鼓動して其の強盛を増せば、
則ち霊魂を益すなり。
問 人の死するや、霊魂と八力とともに去るか。
曰 八力去りて人始めて死するなり。
問 神なる者は何ぞ。
曰 天地精霊の気、之を神と謂うなり。
問 神とは何ぞ。
曰 元素是れなり。
故に人死して後元素に帰するもまた神なり。
問 祈れば必ず益すか。
曰 祈れば必ず益す。
故に孔子も亦、「吾戦えば必ず勝ち、
祭れば必ず福を受く」と言うは、是れなり。