特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座666「言霊の訓練学校」

『すべてわたしの愛している者を、
わたしはしかったり、懲らしめたりする』 
ヨハネの黙示録

稽古も入門の時代を越え、
和良久の理念や技において基本的なことも概ね了解した頃、
いよいよ稽古も次の応用の段階に入ります。

それは丁度、保育園を卒園して小学校に上がるようなものです。
徐々に場の空気を読み、自分の立場を自覚し、
師や先輩に対する礼節を心得てもらう段階でもありましょう。

そうなりますと、稽古も少しずつ本格化し、
きちんとした技の鍛錬に入ることになります。

和良久における「技」とは、もちろん75剱のことです。
75剱は、応用力を身につけるためにある稽古です。

一人で基本的な動きが出来るように
稽古するのが「入門」ですが、
「初伝」になりますと、その基本的な動きをつないで
技化していくことになるのです。

技化とは、研ぎ澄まされた集中力のもとで展開される、
微塵も無駄のない動きをもって
目的を完遂させる技術のプロセスです。

それは何度繰り返してもまったく狂いが生ぜず、
無駄な動きをすべて排除し、
百回やったら、百回とも成功する
洗練された理念と実践の集大成といえます。

技化に成功した人たちは、
目的達成のために必要なアイテムを
体内に備え付けています。

ですから、秤や定規を使わずとも、体が覚えており、
むしろ秤や定規さえも計測しきれない範囲までも
計りうる超人的な感覚をもつに至ります。
こういう人を技師(わざし)と言います。

技師は、職人です。
職人さんの動きには法則性があります。

その仕事を成し遂げるのに最も適した立ち姿や手さばき、
足さばきなどを優れた職人さんたちは保有しています。

例えば、団子をころころっと綺麗に丸める菓子職人さん、
材木を切り削りして、
釘を使わず組み合わせて家を建てる大工さん、
魚や野菜のうま味を逃さず料理する板前さん・・・
その技は本当に見事であり、
芸術的ともいえる美しさをもっています。

まさに、一定の法則性をもって、
巡るめく四季を来たらせ、
五風十雨違うことなく
この大地に恵みを施す神様の技のようです。

職人さんは、力まかせに行うのではなくて、
むしろ力を抜いて、呼吸に合わせてリズミカルに、
しかし淡々と作業を行います。

その作業を行うに最も適したリズムにのる
と言うことが大切なのです。

呼吸を合わせると言うのを、分かりやすく言えば
リズムをつかみ、そのリズムに乗るということです。

具体的には、螺旋の渦をとらえると言うことです。
螺旋は宇宙のリズムです。

このリズムに乗った者が何事によらず成功を納めます。
時流をとらえ、機に臨み変化に応ずることが出来るのです。

本来、月や星、風や雨、川や海など、
自然が醸し出すリズムを日々味わいながら
人は生きているのです。

これをより深く意識し、
現実のものとして確認できる高い感性が必要です。

日本人はこの感性に長けた民族なのです。

では、なぜ日本人は
こういった技能に、長けているのでしょう?

それは、言霊の力によるのです。

言霊は、大気中に編満する極々微細な粒子です。
そして、この微細な粒子を生み出すのが
我々日本民族が用いている75声なのです。

言霊は、「神霊元子」とも言われます。
すなわち「神が許した人という存在の
発する音声により生まれるエネルギー体」と考えていいでしょう。

そんな中に生きている日本人ですから、
感性は高くなるのは当然です。

しかし、近年この言霊を無きものとする風潮が蔓延し、
言葉と言葉に応じた行動と思いが乱れ、
一気に言霊の粒子が粗くなってまいりました。

丁度、粒子の細かい土壁で造ったしっかりした塀が、
突然、荒い石積みの塀に変わったもののようです。
ちょっと力を入れて蹴飛ばせば、すぐに全体が壊れていきます。

この粒子が荒くなりますと、
天と地を結ぶ上下のバランス、
水(陰)と火(陽)を結ぶ左右のバランスが崩れます。

つまり、上下のバランスの崩れにより天災が発生し、
左右のバランスの崩れにより人災が発生するのです。

つまり、簡単に言えば、
言霊は「気を生み出すエネルギー」です。

この気が荒くなると、
当然天の気と、人の気が荒くなります。

アオウエイは、「天と地を結ぶ水と火」と言う意味です。

(※ア~天 オ~地 ウ~結 エ~水 イ~火)

さらに、この五つの音声が乱れると、
音声の根源である「ス」声に濁りが生じます。

ス声は、歯からもれる
純粋な呼吸の流れより来る音声です。
この音は、心を正し、魂を清める作用を持ちます。

スは、主になるものと言う意味です。
すなわち神です。

主になる息の乱れがおきると、
神を知らない人が増えます。
神無き世界は、すなわち地獄です。

いま、世に地獄が現れつつあります。
すでに餓鬼がはびこり、天は徐々に光を失い、
地には闇が広がっています。

あちら、こちらで天変地異が発生し、
水の難、火の難がおこっています。
人が人を襲い、滴る血をなめ合っています。

同族の命を奪うなど獣の世界のことですが、
それを神の子である人が行っているのです。
実に恐ろしいことです。

このままいくと、神の約束どおり、
天から火の雨が降り、
地には大水であふれることは免れません。
これも神の慈悲です。

神は私たち人類に最後の警告をされました。

その警告に耳をかせばよし、
でなければ審判の日を待つしかないでしょう。

言葉の乱れが世の乱れと言いますが、
まさにその通りなのです。

そうしたら、一体どうすれば
世の中を元の清清しい世に戻せるのか・・・?

もうお分かりと思いますが、
言霊を修正していくしかありません。

神は、私たちに最後のチャンスを与えてくださっています。
そのキーワードが「言霊」です。

世を救う・・・それは誰かがやるのではありません。
あなた方一人一人がやるのです。
人類みんながやるのです。

それに気づき、それを補うのです。

一人が一人にキーワードを渡して行きます。
その渡された人がまた別の人に渡していくと言う
「伝播」を利用します。

気の長い話しと言われるかも知れませんが、
そんなことはありません。
伝播は早いものです。

それは風のように、波のように
一気に世界に広がっていくことでしょう。
言霊は伝播性が速やかなのです。

スの息を清めるには、アオウエイを正すことです。
そして、アオウエイを正すには
75声の働きをなすしかありません。

和良久は、言霊の技をもって
具体的な修正を行う職人さんを育成する
訓練学校のようなものです。

この学校では、より素晴らしくて
力強い言霊の職人さんを育成します。

時に、ひとり立ちしていただくために、
厳しく言い放つこともあります。

技を身に着けるには忍耐と努力が欠かせません。

それでは、もう一度最初の言葉を皆さんに贈ります。

『すべてわたしの愛している者を、
わたしはしかったり、懲らしめたりする』 

ヨハネの黙示録