~剛・柔・流 三種の八力の型の実践
八力の順番で言えば、
左右の手で圧を加えながら、
合掌して上下する。
また「ス」で、両手を開いて旋回させるが、
この時に注意することがある。
抑える時は、親指と人差し指を、
開くときは、小指と薬指を用いて動かす。
呼吸は、手でコントロールされる。
(これを忘れてはならない。手は花である)
中指を中心に、吐く息の時は親指、
人差し指が働き、これを「左旋」という。
吸う息は、小指、薬指が働き、
これを「右旋」と言う。
これによって、腕に捻りが生じ、筋肉が締まっていく。
腕の捻りは、胴体に伝達され、腰にくる。
手の指の動かしようで、全身に捻り(螺旋)が生じ、
締まりのある強靭な肉体を造っていく。
小さな動きが、大きな波となって四方に
広がりをみせるのだ。
「ア」に入ってから両手を組むが、
この時に注意することがある。
先の誌上講座で書いたように、
両手は仲良く譲り合わないで、反発して動く。
両手を組んだ際、
力を入れって腕を固める。
そうすると、腕は真っ直ぐ伸びないで、
丸くなる。
この、腕が丸くなった状態が、
腰を動かす基本となる。
腕を自由に動かす間は、腰が練れない。
腕の肘と、脚の膝は、その間に位置する
腰と直結している。
両腕を丸くして固定すると、肘が左右対称になり、
この肘の固定が腰を動かす。
初心者によく見受けられる、ふにゃふにゃとした
腕では腰は動かすことは無理だ。
このように、腕を固めて八力を行う。
ゆっくり螺旋を描きながら、凝解分合動静引弛を行うと、
腕だけでなく、体全身にその螺旋の捻りは伝達され、
驚異的な肉体改造が始まる。
万物は「螺旋構造」になって形造られている。
これは、呼吸が螺旋していることに由来する。
呼吸が螺旋して働いている以上、
万物はその螺旋運動に沿って形造られる。
簡単に言えば、物は皆、
螺旋の「捻れ」によって生存しており、
生きるということは呼吸に伴って螺旋の捻れが
よく締まっているということである。
そして「死」とは、呼吸が停止し、
呼吸の停止によって螺旋運動の停止となり、
螺旋の崩壊によって、
形及び活動力が止まることを言う。
生きているということは
「息(水火)をしている」ということ。
息をしていると言うことは、
螺旋運動をしていると言うことである。
赤ちゃんは、母親の対外に出た時の最初の息は
「呼」から始まり、続いて「吸」となって、
以来死を迎えるまでの80年、90年というものは
ひと時も休むことなく呼吸を継続する。
やがて死を迎えるとき、
「吸」の息で国替えをする。
人の一生は、「呼」で始まって
「吸」で終えることになる。
この巡り巡る水火の螺旋に応じて、
万物は形造られている。
つまり万物は、この水火の旋回に合わせて
螺旋状に出来ているのだ。
人も、また宇宙も。