~剛・柔・流 三種の八力の型の実践
●八力を3~4回、最初にゆっくりと行う。
一つ一つの動きを静止させて固く動き、
「力む」を主とする運動である。
これは左右の手を抵抗させながら行うので
かなりきつい運動である。
発声もしっかり声を出して発声する。
●次の3~4回は、少し速度を速める。
柔らかさをもたせて動き、力を入れながら
緩めることを行う。
これも、やはり発声してから動く。
動きは発声時以外は、つないで動く。
●そして、最後は、発声と動きとを
同時にして行う。
「流れ」を大事にし、最初「ス」から
「イ」の最後までの動きを、
途切れなく滑らかに行う。
この時は、もう全員号令に合わせることなく、
各自の速さで自由にやっていただくことになる。
規制された型から、開放された型への移行である。
人に従うことから、今度は自立心が芽生え、
やがて一人立ちして羽ばたくようなものである。
型の変遷はまた文字の変化のようなものだ。
字を学ぶとき、ゆっくり力強く書くことから
はじまり、次第に力みを捨てた
柔らかな筆体となるようなものだ。
■発声しながらの八力の型の息継ぎはこうだ。
①号令「天地」で、腕が下がる際に息を吸い
「スー」を発声しながら、また上がる。
②「スー」が終わり、腕が下がって、
「ウ」の下から煽る動きで息を吸う。
③「ウー」と発声しながら両腕を出して、
上げてまた出す動作を行う。
④「ア」の下から煽る動作、つまり下の凝の
旋回で息を吸い、凝で上がる時に「アー」と
発声しながら上げ、そして下げる。
⑤「オ」の下から煽る動作、つまり下の分の
旋回で息を吸い、分で上がる時「アー」と
発声しながら上げ、そして下げる。
⑥以下、「エ」「イ」も同じ要領。
以上、「スーウーアーオーエーイー」の
発声を行いながら動く、流動的動きとなる。
いままでのことを整理すると、
八力の型も以下の三つに大別できる。
「剛の八力」~筋力強化のための型
「柔の八力」~強い力を動きの中に活かす型
「流の八力」~流れるような技を身に着ける型
稽古の順番もこの剛→柔→流の三段階を
心がけて行う。
まず、体を徹底的に固く強くすることから
入っていくことである。
そして徐々にほぐしていき、
水のように流れる技に至るのである。
ちなみに私のことを言うと、久々に体の筋肉の
部分を意識して、「剛の型」を行ったところ
わずか一週間で体が変化し、肩幅と胸囲が
眼に見えて分かるほど厚くなり、
ワイシャツや背広がきつくなった。
また、腹筋が締まって
ズボンが逆に余裕が出来た。
あるヨガの先生が和良久を見て言った。
「和良久には、気功もヨガも呼吸法など、
あらゆる体術のエッセンスが含まれている。
スーパーヨガなど及びもつかない」
技は使えなくては意味はない。
また、和良久はたんに精神武道だけじゃなく、
こうして肉体が改善されるんだと
言うことを証明してもらいたい。
稽古する皆の体を通して奇跡を示してほしい。