特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座602 言霊~日本人の誇り

最近の稽古の整理をしましょう。

言霊を活用して打つ稽古を続けていますが、
次の三段階に分けられることが出来ます。

<一段階目>

言霊を長く、優しく発声して、
その息の長さに合わせてゆったりと打つ。

組んでなお発声を続け、剱の打ちの力を
深く相手に浸透させる。

「ウ~~~~」「ア~~~~」

<二段階目>

言霊を短く、強く発声して、
その息の発射に合わせて打つ。

爆発音のごとき言霊の勢いに乗る。
俗に言う「気合術」のごときものである。

「ウッ!!」「アッ!!」

<三段階目>

高速のゆえ、言霊の音声はなく、呼吸
のみによる打ち。

音を超えた水火の打ち。

腹式、胸式の呼吸法を同時に活用し、
全身呼吸をもって打つ。

「無音」
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打ち方の稽古は、以上の三段階に分けられますが、
大事なことは、「気剱体の一致」を忘れないように
することです。

一致と言いましても、順序があります。
その字の並びの通り、
「気ー剱ー体」の順番通りに打つのです。

「気」は、水火、息、呼吸と考えてください。
気持ちが起こる、目的が生まれる、
意識が生じる、思いを描く・・・など精神的なもの、
つまり「幽」の存在が心に表れた状態です。

言霊で言えば「ス」であります。

幽というものが心に表れたら、
もう形になるのは時間の問題です。

心に出現したこと自体「幽」が「顕」に
なったようなものです。

思いは必ず実現する・・・と言われますが
こういったことです。

そこに活力が生まれます。
生き生きとした呼吸力の発現です。

これが「ウ」です。

ここで息は、回って吸う息、吐く息となっていることに
気づくことになります。

それは分離して水となり、火となり、
互いにぶつかり合って摩擦を始めます。

そして右旋して上がり、左旋して下がり、
無限無量の神技(かむわざ)の
永久持続の理を現じます。

これが言霊「アオエイ」であります。
「八力(はちりき)」の誕生です。

この螺旋運行に乗せて、剱がはたらきます。
水火に乗せると自然に剱は旋回を始めます。

そして旋回する剱に、体をついていかすのです。

体も元来、螺旋状に構成されて出来ているので、
水火と剱に逆らわなければ楽に体も
螺旋するようになるでしょう。

和良久の稽古は、言霊の実地的活用なので、
まず日本語に対する見直しと、愛着、そして
それを生み出したこの国の先人たちの、

その神がかり的な思慮の深さと、先見性の明るさに
改めて敬意を表する気持ちが大切なのでは
ないかと思います。

この「ひのもとの国」が世界を守る使命を帯びて
私たちはこの世に存在している、と言うことを
しっかり意識するべきだと思います。

はっきり言いまして、言霊の水火の軌道修正に
よるほかに、この世界を救う手立てはありません。

それが出来るのは古の賢人たちが示すように
この日本の民しかないのです。

本質を見極める眼と、それに向かって進み
行く勇気と技。

どうすればそれを知ることが出来ようか・・・

言い置きにも書置きにもないほどの時代に
まで徹底的にタイムスリップしていけばきっと
それに突き当たると私は信じました。

そしてそれに突き当たりました・・・
といまのところ自分では勝手に思っています。

「75声」という修行時期から、
「アオエイ」と言う秩序建設に至る時期、

そして「ウ」と言う確固たる確信時期を経て、
やがて「ス」と言う純粋無垢な澄み切った時期
に至るのかも知れません。

私たちはすべて「ス」の水火の種から
生まれました。

「ウ」の一霊を頂いて地に下されて肉体を得、
「アオエイ」と言う「愛親勇智」の四つの魂を
授けられてこの世で活動しています。

それはさらに「75」に細分化され「ス」の意思を中心に
捨身活躍することを使命としての日々があります。

私は思います。
決して人生は難しいことなどありません。

何が真理で、何が人の天命だ、
天職だなどと迷う必要がありましょうか。

何をすればいいのか「ス」に戻れば分かるものを、
それを避けて(いや怖がって)いるから
神が見えないのではないかと思うのです。

人生を難しくしているのは自分自身である
ということを知るべきでしょう。

天は理路整然としています。