特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座579 型 八尋(イヤヒロ)

天沼矛は、創造の神器であり、
イザナギノミコト・イザナミノミコト
二神の姿、働きを表す。

それは、すなわち高天原(タカアマハラ)の
神力そのものを有すのである。

タカアマハラは、一霊四魂三元八力が
完全に活用されている
無限絶対の調和空間である。

それは螺旋力により、外へ発射する遠心力と、
内へ吸収する求心力が
同時に存在していることを指す。

※「二神」と「八力の神」とのつながり

■イザナギ 

ウイジネノカミ
ツヌグイノカミ
オホトノジノカミ
オモタルノカミ

■イザナミ

イザナミ

スイジネノカミ
イクグイノカミ
オホトノベノカミ
カシコネノカミ

二神は八力の神の働きをもって、
この天沼矛をもって天浮橋に立ち
「シオ コオロコオロ ト カキナシテ」
螺旋運動を行われた。

天浮橋とは、理想と現実との間にかかる
橋であり、これは霊と体、物質世界と精神世界
をつなぐ架け橋である。

「コオロコオロ」とは、左旋の外部放射と、
右旋の内部吸収する際に生じる
大音響の音であり、
このコオロコオロの音から
ココロ(心)という語が出来た。

天沼矛により線が割り付けられ(書き)、
旋回するごとに、音響が発せられ(鳴る)るので
「カキナ(書鳴)シテ」と言う。

<ちなみに「剱」を「太刀(タチ)」と言う。
太刀の活用は、あらゆるものを裁断し

(タの言霊)、そして細部にわたって
分析する(チの言霊)ことをなす
働きをもっている>

タカアマハラには、万物の「ナル」を司る
働きがあるので、当然、この神業に用いられる
天沼矛にも「ナル」の働きが備わっている。

ナル(成、鳴、生)は、
以下の三大皇学をつくる。

■成(相)を本位に、皇典の研究を進める
「天津金木学」(アマツカナギガク)

■鳴(音)を本位に、皇典の研究を進める
「天津祝詞学」(アマツノリトガク)

■生(生命)を本位に皇典の研究を進める
「天津菅曽学」(アマツスガソガク)

・・・そして、天沼矛を旋回し、引き上げた際に
その矛先から滴り落ちた「シオ(水火)」が
島となった。

これを、オノコロジマ(自凝島)と言う。

自凝島は、旋回すればそこに
万物の水火が自然発生するという意味で、
宇宙構造の中心軸が成立したことを表す。

まだ、霊的にも体的にも不完全な状態を整理し、
確固とするためには、
まず中心軸を決めねばならない。

中心が決まってこそ周囲の構成が整備される。

中心軸を決めるには
旋回運動を起こさねばならない。

二神は、この自凝島に下って、その中心に
天之御柱(アメノミハシラ)を建てた。

この天之御柱こそ天沼矛そのものである。

天沼矛が、宇宙創造の中心柱となり、
初めて周囲が整えられるのである。

次に、天之御柱を軸とし、
天沼矛の発射旋回の力で
「八尋殿(イヤヒロドノ)」が建てられる。

八尋殿は、イヤヒロドノと読み
「イヨイヨ外へ外へと無限に進展する
身体または世界」の義である。

八尋殿を建立するとは、宇宙構成の範囲を定め、
構成の図式を割することであると同時に、
小宇宙と言われる人体の霊体一致した
様子を言う。

この八尋殿が建てられれば
宇宙の構造様式がまず決まる。

八尋殿は、二神の全身であり、
大宇宙すなわち二神の大宮殿(本体)である。

八尋殿は、天沼矛によって創られるのであるから、
右旋左旋による放射吸収の
螺旋の作用は包含されており、
その進展拡大、または吸収収縮は無限である。

さて「フトマニニウラエテ」と言う言葉が
古事記にある。

フトは公式、マニは絶対尊奉であり、
フトマニとは公的なことに対する
絶対的規律、法式である。

タカアマハラのフトマニは、天沼矛はじめ、
八尋殿の姿を現すことにより
明瞭になってくる。

天沼矛、八尋殿、高天原の形状は
当然一致する。

それは無限に広がる螺旋であり、
また無限に収まる螺旋の渦でもある。

一神(絶対神~アメノミナカヌシ)の意思は、
イザナギ、イザナミの二神(創造神)をもって、

八神(八力の神)を活動させ、
それは八百万(ヤホヨロズ)の神の活動力にまで
拡大させる。

・・・この度、この八尋殿の形を
表現する型を見出せた。

これは、まさに
「フトマニ ニウラ(占)エテ」であった。

まず、全体の流れは「タカアマハラ」の放射状の理念、
次に、「ますみの鏡」75声の音韻表。

そして、「フトマニノミタマ」の図で
全体像が浮き彫りになった。

75の音声発声を伴い、放射状に動くこの型は
「布留」に次いで和良久の大切な宝物になる。

こうしたことが生み出されるということ自体
ここ(天恩郷)に居ることの奇びなる導きと
大いなる力の存在を感じる。

早く皆とともにこの型を演じたく思う。

さすれば、タカアマハラのもつエネルギーの
一端でも感じることもあるであろう。

但し、この「八尋」については
「75剱」をマスターした上においてでなくば
まったく意味をなさない。

皆の一層の研鑽と向上を心から期待し、
この型をお伝えする日を楽しみにしたい。

その時のために、今日の基本「八力」「八剱」
「言霊発声」の稽古があるということを
忘れないでいただきたい。