特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座610 富士と鳴門の仕組みについて(3)

以下、出口王仁三郎聖師「霊界物語」より抜粋

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如意宝珠酉 玉騒疑

第一章 玉騒疑〔六九三〕

天と地との元津御祖、国治立大神は、
醜の曲津の猛びに依りて是非なく豊国姫尊と共に、
独身神となりまして御身を隠し給ひ、

茲に大国治立尊の御子と坐します神伊弉諾大神、
神伊弉冊大神の二柱、天津大神の御言を畏み、

海月なす漂へる国を造り固め成さむとして、
神勅を奉じ、天の浮橋に立ち、泥水漂ふ豊葦原の

瑞穂国を、天の瓊矛を以て、シオコヲロ、コヲロに
掻き鳴し給ひ、滴る矛の雫より成りしてふ

自転倒島の天教山に下り立ち、
天の御柱、国の御柱を搗き固め、撞の御柱を
左右りより廻り会ひ再び豊葦原の中津国を、

神代の本津国に復さむと、木花姫命、
日の出神と言議り給ひて、心を協せ力を尽し、
神国成就の為に竭し給ひしが、

天足彦、胞場姫の霊より現はれ出でたる醜の曲津見、
再び処を得て、縦横無尽に暴れ狂ひ、

八百万の神人は又も心捩けて、あらぬ方にと赴きつ、
復び世は常闇となりにけり。

茲に天照大御神、神素盞嗚大神は
伊弉諾命の御子と現れまして
天津神、国津神、八百万の神人に

誠の道を説き諭し給ひしが、世は日に月に穢れ行きて、
畔放ち溝埋め、樋放ち頻蒔き串差し、生剥ぎ逆剥ぎ、

屎戸許々太久の罪、天地に充満し、生膚断、死膚断、
白人胡久美、己が母犯せる罪、己が子犯せる罪、

母と子と犯せる罪、子と母と犯せる罪、畜犯せる罪、
昆虫の災、高津神み》の災、高津鳥の災、畜殪し

蠱物せる罪、許々太久の罪出で来り、
世は益々暗黒の雲に閉され黒白も分かずなり行きたれば、

素盞嗚大神は葦原国を治め給ふ術もなく
日夜に御心を砕かせ給ひ、
泣き伊佐知給へば、茲に神伊弉諾命、

天より降り給ひて、素盞嗚尊にその故由を問はせ給ひ、
素盞嗚尊は地上の罪悪を一身に引受け、

部下の神々又は八岐大蛇醜神の曲を隠し、
我が一柱の言心行悪しき為なりと答へ給へば、
伊弉諾大神は怒らせ給ひ、

『ここに汝は海原を知食すべき資格なければ、
母の国に臻りませ』

と厳かに言宣り給へば、素盞嗚尊は姉の大神に
事の由を委細に申し上げむと、高天原に上り給ふ。

此時山川草木を守護せる神々驚きて動揺し、
世はますます暗黒となりければ、

姉大神は弟神に黒き心ありと言挙げし給ひ、
茲に天の安河を中に置き、
天の真奈井に御禊して、厳之御魂、瑞之御魂の

証明し給ひ、姉大神は変性男子の御霊、
弟神は変性女子の御霊なる事を宣り分け給ひぬ。

素盞嗚尊に従ひませる八十猛の神々は大に怒りて、
『吾が仕へ奉る素盞嗚大神は清明無垢の瑞霊に

坐しませり。然るに何を以て吾が大神に対し、
黒き心ありと宣らせ給ひしか』

と怒り狂ひて、遂に姉大神をして
天の岩戸に隠れ給ふの已むなきに到らしめたのは、
実に素盞嗚尊の為に惜しむべき事である。

茲に素盞嗚大神はいよいよ千座の置戸を負ひ給ひ、
吾が治せる国を姉大神に奉り、高天原を下りて、

葦原の中津国に騒れる曲津神を言向け和し、
八岐大蛇や醜狐、曲鬼、醜女、探女の霊を清め、

誠の道に救ひ、完全無欠、至善至美なる
ミロクの神政を樹立せむとし、
親ら漂浪の旅を続かせ給ふ事となつた。

大洪水以前はヱルサレムを中心として
神業を開始し給ひしが、
茲に国治立尊の分霊国武彦と現はれて、

自転倒島に下りまし、神素盞嗚大神と共に
五六七神政の基礎を築かせ給ふ事となつた。
それより自転倒島は、
いよいよ世界統一の神業地と定まつた。

顕国玉の精より現はれ出でたる如意宝珠を始め、
黄金の玉、紫の玉は、神界における三種の神宝として、

最も貴重なる物とせられて居る。
此三つの玉を称して瑞の御霊と云ふ。

此玉の納まる国は、豊葦原の瑞穂国を統一すべき神憲、
惟神に備はつて居るのである。

 茲に国治立命は天教山を出入口となし、
豊国姫神は鳴門を出入口として、地上の経綸に任じ給ひ、

永く世に隠れて、五六七神政成就の時機を待たせ給ひぬ。
素盞嗚尊は其分霊言霊別命を地中に隠し、

少彦名命として神業に参加せしめ給ひしが、
今又言依別命と現はして、
三種の神宝を保護せしめ給ふ事となつた。

言依別命の神業に依りて、三種の神宝は錦の宮に
納まり、いよいよ神政成就に着手し給はむとする時、

国治立命と豊国姫命の命に依り、
未だ時機尚早なれば、
三千世界一度に開く梅の花の春を待ちて

三箇の神宝を世に現はすべしとありければ、
言依別命は私かに神命を奉じて、
自転倒島の或地点に深く

隠し給ひし御神業の由来を本巻に於て口述せむとす。

有形にして無形、無形にして有形、無声にして有声、
有声にして無声なる神変不可思議の神宝なれば、
凡眼を以て見る事能はざるは固よりなり。

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第二〇章 瑞の言霊〔九一一〕

神素盞嗚大神は奥殿より、末子姫、言依別、
国依別其他の主なる神司を従へ、宴席に現はれ給ひ、

一同に向ひ、さも愉快気に目礼を与へ、
座の中央に立たせ給ひて、
喜びの歌をうたひ給うた。

其大御歌、
『久方の天津御空のいや高く
 雲押分けて降ります

 神伊弉諾の大御神
 神伊弉冊の大御神

 筑柴の日向の橘の
 小戸の青木が原と聞えたる

 天教山の中腹に
 撞の御柱いや太く

 御立て給ひしあが御祖
 国治立の大神は

 天地百の神人の
 百の罪科負ひ給ひ

 烈火の中に身を投じ
 根底の国に至りまし

 豊国姫の大神は
 阿波の鳴門に身を投じ

 又もや根の国底の国
 完美に委曲に取調べ

 ここに二柱の大神は
 再び地上に現はれて

 野立の彦や野立姫
 神の命と世を忍び

 天地百の神人を
 安きに救ひ助けむと

 心悩ませ給ひつつ
 黄金山やヒマラヤの

 峰に現はれましまして
 三五教を樹て給ひ

 再び五六七の神の世を
 開き給ひて万有を

 一切残らず救はむと
 経と緯との機を織り

 深遠微妙の神業を
 開かせ給ふぞ尊けれ

 豊国姫の分霊
 神素盞嗚のあが魂は

 神伊弉諾の大神の
 教の御子と生れ来て

 大海原に漂へる
 島の八十島八十の国

 完美に委曲に治らす折
 八岐大蛇の醜身魂

 勢猛き醜狐
 曲鬼などの此処彼処

 現はれ来りて八洲国
 世は刈菰と紊れ果て

 山河草木は枯れほして
 常世の闇となりにける

 神伊弉諾の大神は
 此惨状をみそなはし

 日の稚宮を出で立ちて
 天教山に降りまし

 我れに向つて宣はく
 汝の治らす国ならず

 月の御国に到れよと
 涙片手に宣り給ふ

 千万無量の御心を
 拝しまつりて久方の

 高天原に参上り
 姉大神の御前に

 到りて心の清きこと
 詳さに現はし奉らむと

 御側に参りさむらへば
 姉大神は怪しみて

 八洲の河原を中に置き
 誓約をせよと宣り給ふ

 われは畏み忽ちに
 姉のまかせる美須麻琉の

 五つの玉を請ひ受けて
 天の真名井にふり滌ぎ
 
姉大神はわが佩ける
 十握の剣を手に取らせ

 天の真名井にふり滌ぎ
 高皇産霊の大神の

 御前に畏み侍らひて
 善悪邪正の魂分けを

 祈り給へば姉神は
 厳の御霊とあれましぬ

 清明無垢のあが霊は
 瑞の御霊と現はれぬ

 厳と瑞との霊しらべ
 善悪邪正は明かに

 鏡の如くなりにけり
 さはさりながら八十猛

 神の命は怒らして
 あが大神は誠なり

 瑞の御霊の救世主
 いづくに曲のあるべきか

 答へあれよと詰めよつて
 畔放ち溝埋め頻蒔し

 其他百の荒び事
 伊猛り狂ふ恐ろしさ

 姉大神は畏みて
 天の岩戸に隠れまし

 豊葦原の瑞穂国
 再び常世の暗となり

 黒白も分かぬ悲しさに
 百の神等相議り

 八洲の河原に集まりて
 五伴の男の神司

 鈿女の神の演技に
 目出度く岩戸は開きける

 神素盞嗚の我が魂は
 天地百の神人の

 千座の罪を負ひながら
 高天原を退はれて

 豊葦原の瑞穂国
 当所も知らぬ長の旅

 此世を忍ぶ身となりぬ
 さはさりながら伊弉諾の

 皇大神の御心
 秘かに我れに伝へまし

 八岐の大蛇を言向けて
 天地を塞ぐ村雲の

 大蛇の剣を奪ひ取り
 姉大神に献れ

 豊葦原の神国は
 頓て汝の治らす国

 心を煩ふ事勿れ
 斯く宣り終へて久方の

 御空に高く去りましぬ
 瑞の御霊と現はれて

 百八十国を駆けめぐり
 フサの国なるウブスナの

 大山脈の最高地
 我隠れ家と定めつつ

 新木の宮を建て並べ
 日の出の別に守らせて

 八人乙女を中津国
 メソポタミヤの顕恩の

 郷に遣はしバラモンの
 教の司を三五の

 誠の道に言向けて
 心を平に安らかに

 世界の神人睦び合ひ
 松の神世の瑞祥を

 千代に八千代に立てむとて
 心を配る我が身魂

 八人乙女の末の子と
 生れ出でたる末子姫

 仕組の糸に操られ
 高砂島に渡り来て

 アルゼンチンのウヅ館
 現幽二界の救主ぞと

 敬はれつつ神の道
 開きいますと聞きしより

 斎苑の館を立出でて
 鳥の磐樟船に乗り

 やうやう此処に来て見れば
 言依別の神司

 国依別や高姫や
 鷹依姫や竜国別の

 神の司の相並び
 アマゾン河に潜みたる

 八岐大蛇の残党や
 猛き獣を悉く

 あが三五の大道に
 言向け和し帰り来る

 其勇ましき有様を
 見るより心も勇み立ち

 汝等正しき神の子に
 神祝ぎ言葉を述べむとて

 此場に現はれ来りしぞ
 あゝ惟神々々

 神の大道をよく守り
 五六七の神世の神政に

 清く仕へて天地の
 神の柱となれよかし

 神は汝と倶にあり
 人は神の子神の宮

 小さき慾に踏み迷ひ
 宝の宮を汚すなよ

 心の空は冴えわたり
 真如の日月晃々と

 いや永久にかがやきて
 下界の暗を照臨し

 神の御子たる天職を
 堅磐常磐に立てよかし

 あゝ惟神々々
 神に誓ひて宣り伝ふ

 神に誓ひて宣り諭す
 朝日は照るとも曇るとも

 月は盈つとも虧くるとも
 如何なる悩みに遇ふとても

 神より受けし真心を
 汚し損ふ事勿れ

 これ素盞嗚が汝等に
 真心こめて宣り伝ふ

 誠の道の言霊ぞ
 世界を救ふ神言ぞ

 あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』

と歌ひ終り給ひて、正座に着かせ給ふ。