特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座629「和良久理念の基 ~霊学 本田親徳」

本田親徳先生は、近代において
古来の鎮魂帰神法を確立された方で、
出口王仁三郎聖師もかって本田霊学を学んだ。

和良久においても、本田霊学は、
技の基礎を固めるに
なくてはならないものであった。

参考のため本田霊学より一部分を紹介す。

<霊学抄>

皇国固有の霊学は
鎮魂、帰神、太占(ふとまに)の
三つである。

学則

神の黙示はすなわち吾が俯仰観察するに
宇宙の霊体力の三大を以てす。

一、天地の真象を観察して
真神の体を思考すべし。

一、万有の運化の豪差無きを以て、
真神の力を思考すべし。

一、活物の心生を覚悟して、
真神の霊魂を思考すべし。

鎮魂

鎮魂の法は天授の神法にして
現世神界の学則なれば、
上は天皇の治国平天下の御事よりして、
下は人民修身斎家の基本、
続て無形の神界を探知するの基礎なれば、

宜敷朝夕之を懐中に秘し、
事業閑暇は謹て是を省み之を行ひ、
霊魂の運転活動を学習すべし。

帰神

帰神の法を幽斎の法と言う。

幽斎は宇宙の主宰に感合し親しく八百万神に接す。

至大無外、至少無内、過去と現在と未来を問わず
一も通ぜざるは無し。

精神正しければ即ち正神に感合し、
邪なれば即ち邪神に感合す。

<道の大源>

上帝は四魂一霊を以て心を造り、
而して之を活物に賦す。

地主三元八力を以て体を造り、
而して之を萬有に与う。

故に其の霊魂を守るものは其の体、
其の体を守るものは其の霊。

他神有りて之を守るに非ざる也。

是れ及ち神府の命、永遠に易らず。

<真道問対>

問  霊魂に増減有るか

対  増さず減ぜず是れ真の霊魂なり。

問  人魂も亦然るか。

対  善を為せば則ち増し悪を為せば則ち減ず。

問  何をか全力と謂う。

対  動、静。凝、解。引、弛。分、合。なり。

問  何をか全霊と謂う。

対  勇、親、愛、智なり。

問  何をか全体と謂う。

対  剛、柔、流なり。

問  神は呼吸するか。

対  神は固より呼吸す。
   故に万物呼吸せざる無し。

問  四魂に経緯有るか。

対  勇ー親は経たり。
   智ー愛は緯たり。

<滄海窓問答>

問  役小角の鬼魅を役使せしは何の術ぞ。

曰  人の魔性有る者は、よく魔魅と感ず。
   役小角のごときは是れなり。
   前に謂はゆる人面獣心とは、
   即ち魔性なり。

問  伊勢神宮、其の他の神社等の、
   人火に由らずして焼亡
   せし者有るは如何。

曰  神の怒りの有る所、激発して火を生ず。
   たとえば猶凡人憤れば、
   満面発赤して不意に火を生ずる
   がごとくにして、火を生ずるなり。
   
   固より魔魅の事を好みて
   火を出だせるとは異なり。

霊魂は鍛錬琢磨をを以って貴しと為す。

力は道力(チカラ)の義なり。
体力は第二義なり。

それ道ありてよく体力を発するなり。

まだ体力あらずしてよく道力を発するなり。

是れ御中主神の道力ありて
後に天地万物あるなり。

問  素盞雄神と大国主神とは、
   二神にして一神、一神にして二神とは如何。

曰  二神なり。それ素盞雄神は雰囲気を指して
   之に名づけ、大国主神は大地球を指して
   之に名づくるなり。

問  教へとは何ぞや。

曰  教へとは幽顕の間に立つ者なり。

問  聖人とは何ぞや。

曰  四魂平均して過不及無き、之を聖と謂う。
   聖は等差無し。(国訓聖を霊知と曰ふ)

問  霊魂驚悸すれば則ち八力先ず失せて
   汗流れ油出づるが若きは如何。

曰  八力は霊魂を支持すと雖も、
   霊魂は実によく八力を鼓動す。
   八力を鼓動して其の強盛を増せば、
   則ち霊魂を益すなり。

問  人の死するや、霊魂と八力とともに去るか。

曰  八力去りて人始めて死するなり。

問  神なる者は何ぞ。

曰  天地精霊の気、之を神と謂うなり。

問  神とは何ぞ。

曰  元素是れなり。
   故に人死して後元素に帰するもまた神なり。

問  祈れば必ず益すか。

曰  祈れば必ず益す。
   故に孔子も亦、「吾戦えば必ず勝ち、
   祭れば必ず福を受く」と言うは、是れなり。