75剱を皆さまにちゃんとお伝えすることが、
今期の私の大切な任務だと思っています。
そのため、より技を簡潔に、
しかし、それは凝縮したのであって、
決して省略したのではない技でなければ
ならないと思っています。
ややこしいものを、ややこしいままで渡すと言うのは
不親切極まりないので、これをより分かりやすく、
その大事なエッセンスをお伝えすることだと
覚悟しています。
これは75声をウからス声に凝縮させる
作業でもあります。
私の一生を賭けた仕事だと思っています。
そして、この技術を少なくとも
100年はもたせなくてはならないと思っています。
この凝縮した技の中身を、やがて皆様が解凍し、
元のごとくより詳細に戻して、
じっくり味わってもらう時がくることでしょう。
今はとにかく皆が動け、使えるようにします。
汚濁の世にあって言霊の水火の威力を実地に現せる
即戦力になる人材育成を第一と
心がけていきたいと思います。
この技の本当に復活した時、
時代は一体どうなっているのか。
間に合えばいいのですが。
私自身の稽古の進捗状況の一例を紹介します。
「打太刀」としての稽古から、
「仕太刀」としての稽古への移行です。
簡単に言えば打つ稽古から、受けて返す稽古で、
呼吸で言えば、吐く呼吸(積極的姿勢)から、
吸って吐く呼吸(受動的姿勢から積極的姿勢)の
複合的探求に変わります。
■初伝へ進む方への指導準備として
一般に「スー」「ウー」と相手の剱尖につけて、
八剱の「アー」などと発声させて
解などを打つ稽古をいまやっていますが、
これが「75剱」に変わります。
75剱の場合、発声をあまり引き伸ばさず
短く切ってやります。
<実例>
「ス」「ウ」とつけて後、75剱を行います。
稽古例
①仕太刀双方「ス」「ウ」で剱尖を合わせる
②打太刀~解 (仕太刀は、打った後すぐスに復する)
仕太刀~「ア」(相手の解を合わせて打ち返す)
③仕太刀も「ス」で復す
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応用の稽古例
仕太刀~解または弛を打つ
仕太刀~相手「解」で来れば「ア」で、
相手弛で来れば「ダ」で組むことの稽古。
アもダも「解」で打ち返すので「内旋」の剱となります。
●仕太刀 ~例
アとダ(解の打ち返し)、ヤとカ(凝の打ち返し)
イとヂ(弛の打ち返し) 、ヰとキ(引の打ち返し)
動きはぎくしゃくとならず、
くるくるっと螺旋を画いて
さらっと動くを旨とすること。
それは言葉を発する如くに滞りない様に動くことです。
簡潔で美しく、そして正しく、
楽しく、清らかに稽古が進めば嬉しいと思います。
皆様が難しく思うのは、決して皆の責任ではなく
この前田がしっかりと理解できていないからだ
と反省しています。
謙遜ではなく本当にそう思っています。
だから皆に伝わることが
私にとっての稽古になるのです。
皆が75の水火が現せるようになること。
これが私の使命だと思っています。
大胆に言わせてもらえば、
人類にとって善なるの夢の実現が
成就するようになることが私の夢です。
75声は、その力が内回りし、
外回りして螺旋状に放射しています。
その放射する形はまことに秩序正しく組み合わされ、
無限に蓮の花を描き出します。
この75声の水火が正しく現される世界を
神道では高天原(タカアマハラ)と言い、
仏教では極楽浄土と言います。
75の水火によって
人々の花が大きく開花してもらえるよう
私の一生をかけて頑張ってまいります。
75声の花を咲かせ、おのおのの夢が実現し、
日々を楽しく過ごしていただけたらと念願します。
言霊は、この混迷する世界を救う最後の切り札です。
大石凝真素美先生は「真訓古事記」の中で
こうおっしゃっています。
解釈した内容の概略を以下に紹介させいただきます。
「私たちがこの大気中に充満する水火を吸い込んだとき、
その水火と同化して地球を守り育む
母のような気持ちになります。
その母の口より発する声を「ヌホコ」と言います。
言霊の稽古をする時は、
人のもつ能力のすべてが外に表れます。
これが世界中に行渡ると、
世の中が清まりますので病気がなくなります。
また物も心も豊かに満ち足らい
貧しさと言うものが消滅します。
世界の気を平らかに治められるので争いがなくなり、
天下が太平に治まります。
たった一言、二言によって現れる言霊の威力とは
このようなものなのです」
大石凝真素美先生「真訓古事記」より
『人が天球の中なる極微点(こごこ)の
連珠絲(さぬき絲)を吸い込みて、
この至大天球を包む母となりて、
天球そのままなる
心の全象を吹き出す声を発する人の口を
沼矛と言うなり』
『日本国の言霊を琢磨する時は、
人の行い一切明らかに照り渡るなり。
これが照り渡る時は、衛生の方法定まるがゆえに
全国の疾病は撲滅するなり。
財政の方法満足するがゆえに全国あげて大福裕となる。
よって貧民は消滅するなり。
極治の方法定まりて極治太平となるなり。
ひと二言の言霊の照らす所の光明かくのごとし』