75剱の技を行うについて、
和良久稽古人には、
まず以下の図表4点をしっかり暗記してほしい。
●布斗麻邇御璽
●水火の御伝
●水茎文字
●ますみの鏡
幾度も筆記すれば、
その真意もおのずと知れるものなり。
これらの図表は、言霊の秘密を凝縮した記号であり、
かってご神体として祭られていたものである。
また鎮魂の行をなすために
用いられたものであるとも伝えられる。
布斗麻邇御璽について・・・
山口志道(安房の人、明和2年(1765)生まれ)が、
代々家に伝わる不思議な図表を30年間研鑽していた。
やがて、荷田訓之という狂言師から
文化12年(1815~志道51歳の時)
稲荷古伝(一名水火の御伝)を授かって
一気にその謎が解けたという。
古事記製作時においては、まだ言霊の口伝が生きていたが、
後世その真意が伝わらなくなるのを恐れて、
言霊の原理を一葉の図にまとめたものがこの水火の御伝である。
それを、稲荷神社に奉納し後世の君子に委ねたのだ。
ますみの鏡について・・・
中村孝道(周防の人 志道と同時代人)と言う者、
言霊の秘密を探ろうとして京師に上がり、
空しく古老を尋ね歩くうち、
宮中より出た反故紙の中に「ますみの鏡」と呼ばれる
音の図表を見つけて、そこから言霊学を展開した。
75声のますみの鏡に、
目当木すなわち天津金木により
構成される瑞組木=水茎文字を配したのは
中村孝道であると言う。
これらの図表をもとに神道霊学を大成させたのが
大石凝真素美翁である。
翁は、至大天球、地球の御霊代たる六角切子の玉によって、
音の意味と力をより細微に立体的に示すことに成功し、
天津金木など用いて大日本言霊学としてまとめる。
水茎文字について・・・
『このみ国は文字を用いることなし。
ゆえに、いにしえは、文字なく
水茎というものにて七十五声の形を写した也。
ただ、このみ国は唐土とはかはりて
声の義理を用いる故に物にても名が別解釈なり。
古くは紫をあみ草を結いてなど
いいたるも右の水茎のことなり。
今にいたりても出雲の大社にて
みづくきの神事とて其かたち残りたるよし』
文政12年菅原茂厚が著した「神伝言霊真秘録」より
瑞組木倭文字は、倭人が秋津嶋なす七十五声を、
吹き出す息の形を履行、瑞々しき天津神算木に組み止めて、
履行の跡を記したる文字也
天津金木そのものはフトマニである。
「言霊七十五声」より~年月日著作者不明
また、この書「言霊七十五声」の冒頭に、
伝の次第として初伝、中伝、奥伝、別伝、太占の伝とある。
和良久では、言霊剱の習得階位を
初伝、中伝、奥伝などとしているが、
この言霊七十五声の書においても、
同様な名称が使われていたのを発見し嬉しく思う。
太占とは天地独立の大元を結んで
事物変化の本元を示すものである~孝道
出口聖師 談
水茎文字は、天津神算木の運用によりて
初めて解し得べきものにして、
その成立の奥底を為すものは、即ち宇宙大経綸の根元より出ず、
太占より斯くして湖面に昼夜文字を描きつつ
天地人の水火の艮より現出して
神異を伝えたまうぞ神国たるの御徴なりける。
中略(そして大正4年5月16日、
琵琶湖の水面に「アオエイ」の水茎文字を確認する)
・・・綾部の本部へ帰るとともに
金竜湖にも水茎文字の浮かばむことを
精神をこめて祈願いしたのであった。
神明納受ましましたか、
その当日より瞭然として水面に文字の浮かぶこととなった。
これ大神のご神慮に依ることであった。
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これから75剱につき、
その水茎文字(天津金木)の運用を記す。
読み方、動き方については、
詳しくは実地で指導する口伝によるしかないので、
ここでは簡単に解説しておく。
一連の動きを「呼 呼 吸 吸」
または「吸 吸 呼 呼」で構成する。
呼~下がる (解・合・静・弛)
吸~上がる (凝・分・動・引)
1、起~剱の初動
2、組~打ち方の剱と組む
3、重~水火を重ねる
4、打~打つ
基声~各音声において、ことさら基本となる声
内~内旋
外~外旋
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基本知識
声 水茎 発声 八力 一霊四魂
ア ー 喉 凝解 幸魂
オ = 唇 分合 和魂
ウ ○ 歯 ウ 直霊
エ | 舌 動静 荒魂
イ ∥ 牙 引弛 奇魂
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75剱
基声「アワヤ」 根之棚
ア 喉
吸(起) 吸(組) 呼(重) 呼(打)
ア ー ー ー ー 内
オ ー = = = 内
ウ ー ○ ○ ○ 外
エ ー | | | 外
イ ー ∥ ∥ ∥ 外
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基声「ヂギキ」 高天之棚
ダ 牙
吸(起) 吸(組) 呼(重) 呼(打)
ダ ∥ ∥ ー ー 内
ド ∥ ∥ ー = 内
ヅ ∥ ∥ ー ○ 内
デ ∥ ∥ ー | 外
ヂ ∥ ∥ ー ∥ 外
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根之棚
ヤ
呼(起) 呼(組) 吸(重) 吸(打)
ヤ ー ∥ ー ー 内
ヨ ー ∥ ー = 内
ユ ー ∥ ー ○ 外
エ ー ∥ ー | 外
イ ー ∥ ー ∥ 外
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高天之棚
カ
呼(起) 呼(組) 吸(重) 吸(打)
カ ∥ ∥ ー ー 内
コ ∥ ∥ ー = 内
ク ∥ ∥ ー ○ 内
ケ ∥ ∥ ー | 外
キ ∥ ∥ ー ∥ 外