特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座138


「タテ軸 ヨコ軸」 〜垂直回転と水平回転


稽古では、まず形をしっかり出す稽古から入ります。

もうご存知のように、引・解・ウ・・・・
などのように一本、一本の八力の姿を出していきます。

次に、その力をつなぐことをします。

しかし、例えば、解を行うのに「解」だけでは役に立ちません。

引の力を借りてこそ「解」の威力が発揮できます。

その時です。

ここから本日の本題になりますが、
「旋回」が発生するということを学びます。

旋回こそ力の正体です。

ところで、最近やった稽古で「ヤ」の剱を稽古しましたね。

あれの八力の組み立てを思い出してみて下さい。

・・・・・

どうですか?
八力のつなぎを覚えていらっしゃいますか?

そうです。
スー引ー解ーウー弛ー凝・・・そしてスに戻りますね。

まず、「ス」で始まります。

これは天剱の旋回のスタート点であり、
フィニッシュであり、「天空の力」です。

つまり垂直回転の中心軸であり「タテ軸」です。

この「ス」から引に、そして解につなぐ動きをすると、どうでしょう?  

そう、くるくるっと螺旋が発生しますね。

まるでお正月の羽根突きの羽根のように。

その天から地に螺旋しながら落ちていった剱は
「大地の力」の根源であり、ヨコ軸である「ウ」にセットされます。

この下降しながら「ウ」に位置についた瞬間に、
つまり地に猛烈に激突した剱は、今度はリバウンドして
八力の「弛」の腰に入り、水平回転を起します。

そして目的である「凝」の打ちをなすべく上昇を始めます。

剱は水平回転を起し、勢いよく「凝」の打ちとなって飛んでいき、
徐々に垂直の戻りつつ、そして静かに「ス」に戻るのです。

「天」で旋回を起こす時、天の水火(呼吸)のすべてを取り
込んで地に落下させます。

「地」で旋回を起こす時は、地の水火をすべて包み込んで打ち上げます。

天の力、地の力を運用することこそ和良久の技の醍醐味と言えます。

天と地をつなぐ役割を与えられた人間。

天と地・・・この無限なるエネルギーの活用を許された私たち
人間はなんて素晴らしく、偉大な存在なのでしょう。


続く・・・