「大和のもののふの道」

道を外に求めず内にあることを覚悟し

獣の所作を真似ず人は人たるべくあれ

真実は水火の存在を離れてほかになし

その顕現がわが大和の誇るべき四魂八力の集約せし言霊にあり

これこそまことなり

まことは誠と書き、その字の如く「言うことを成す」ことであり、
まったき言葉であり、真言であり即ち言霊なり

神の道を知るのも言葉を離れてほかになく
言霊の探求こそ大和の道なり

この道は世人に言う武士道にはあらず

まことの武の道は神代にまでさかのぼってこそ初めて見出す道也
神とまみえてこそ得らるる道也これを神武とは言うなり

神にまみえ天国に入るは易きこと也
逆に悪魔に魅入られ地獄に入るは難きこと也
なんとなれば元来人は神の御子なればなり
それを忘却するとき根底の国に落ち行くなり

赤子の如く純粋無垢なる霊魂に立ち返る時
神必ずおのが身に添いて守らせ給えるなり

おのが我を捨て去り、強いもの勝ちの心が滅却したとき
神の四魂八力自然に備わるなり

神は八力也　四魂也　言霊也　光也
アオウエイの音声に活きる尊き存在也
いずれもスから始まりスに帰するなり

かくの如く神を離れて大和の武はなきなり

中世の殺伐とせし時代にまことの和の道は存せず
武士道とはその時代に生まれし修羅道を美化せる隠れ蓑也

武士道は仏教儒教の教えをもって組み立てられし
とつくに（外国）の教え也
すみきりたまいしわが日の本の国のものでは無きものなり

かくして殺人刀をおのが魂とする武士道を
今に蘇らせることは断じてならじ

いかに飾ろうとて武士道は人殺しの道也
弱肉強食の我よしの道也

主にわが命を惜しむ事無く仕うるもわれよしなり
神第一とし天下公共の為に愛と善を尽くしてこそ大和のもののふなり

氷のごとき冷たきやいば（日本刀）を見て
大和魂の印しと信ずる者よそはまことの大和の民にあらず

いましはやまとおのこなれば、
躊躇することなく刀を捨てて剱をとれそれを天に高く突き立てよ

無限なる天の高さを知り広大なる地の広さを覚えよ
人はその間に生きるものであることを覚れよ
天なくしてわれあらじ
地なくしてわれあらじ
しかして人なくして天地あらじ

和を重んじ、和を広ぐるの道はすでに耐え果てたりし

しかれどいまこの世を創りし神が表にあらわれてまことの和の道を
いまの世に現すなり

この道こそ元の道也　大いなる本の道也

諸人よ、この道を通して武を練るべし
さすればきみまことの神の力にまみゆるうなり

神の力にまみえなば大和の武の道は明らかなるべし
武の力明らかなれば万物の力明らかになれり

武の道とはタケハヤスサノオノミコトこれなり
そのはたらきとはヤマトタケルノミコトこれなり
そしてこの武を司る神々の総称を瑞の御魂とはいうなり

さて、おのが名を語らず、とつくにの名をもってわが名となす者よ

吾、吾であって他の者はにあらず

そが名を他の名にすり変えることなく、
胸を張って威風堂々と大音声におのが名を名乗れよ

愛すべきいまの世の親より賜りしおのが名を誇りをもって名乗れよ

また知識をひけらかす民よ
知識は頭の生活であり、智慧は腹の生活なり
これ丹田の力の発揚也

知識あるを見せびらかすは、智慧のなきを知らせるも同じことなり
語れば語るほどおのが智慧の浅はかさを露呈するものなり

また言う

大和の武は一子相伝で伝えるべきものにあらず、
ひのもとの国民（くにたみ）すべてのための技なり

これは人里を離れて人目をしのぎ、密かに伝えるものにあらず
まばゆき光差し込む空の下で伝える白き明るき道也

闇にまぎれて行ずるは曲神の技也
忍びの術もまたこれなり

闇を支配する者に教えを乞うてはならなじ
闇の技は闇がつきまとう

明きところも暗きに変えてしまうのが闇の技なり
活かせるものを消滅させてしまうのも闇の業也

また言う

よく確かめもせずよく知りもしないで物事を讃美する民人よ

その言葉は腹から出た重き言葉にあらず
胸から出た軽い言葉なり

その息軽く人の魂に響かずわが心を動かすことはない

言霊とは丹田より出でしうそのないまことの言葉をいうなり

気を注げよ
すぐ褒むる者はすぐなじり、すぐ気を高ぶらせる者はすぐ落胆する

いつまで闇の夜に灯りを求めてさまよい歩く旅人を続けるのか

灯りはすでに目前にあるを知らないのか

このまばゆい光をみとめず、闇に面を向けるはなにゆえか

呪文のごとく同じ言葉を幾度も繰り返し
つくり笑顔で微笑むその不気味さは妖魅の者なるか

喜怒哀楽、これも神が授けたもうたものなり

これ万象の自浄作用である雨風や地震とと同じ也

時に喜び、時に怒り、時に哀しみ、時に楽しむこと大事なり

悪魔も笑顔をもつなり
その笑顔をもって人を誑かすなり

悪魔もやさしさを装うものなり
そのやさしさをもって人を誑かすなり

悪魔も仁義礼智信の徳を説くなり
その徳をもって人を誑かすなり

悪魔も愛をもって人を包むなり
その愛をもって人を誑かすなり

聞けよ大和の国のもののふよ
一霊四魂八力の発揚はいまなり
いまのときをもって他はなきなり

言霊の光が闇をあまねく照破し
ツルギの威徳によりてまがかみをたいらげ
この地の上に神の威勢が再び現れれんことを願うものなり

かんながらたまちはえませ