特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座226


問答集 (23)


「神話を見ると、同じツルギなのに場所により、
様々な呼び名が付いていますが、なぜでしょう?」



神様の世界では、活動する用向きによって、
呼び名が変わることは多々あります。

ツルギにおいても、地上世界、
つまり物質世界を祓い清める時には
「草薙之剱(クサナギノツルギ)」と称します。

草は、大地に生える植物の草の例えで、
人が住む世界に存在するところの
物質全般を指して言っています。

ツルギの働きは、破邪顕正です。

その物質万能主義に堕し、
体主霊従となった世界を戒める時に
「草薙之剱」となって登場するのです。

75剱で言えば「重の剱」、つまり地剱から始まって
天巻き上げて後、地上に打ち落とす剱の技です。

気持ちとして、剱尖を天上に突き込む
勢いをもって上昇させます。


また、天上世界、つまり精神世界を祓い清める時には
「天之村雲之剱(アメノムラクモノツルギ)」と
なって顕現します。

天は、高く尊い世界、つまり心の世界の例えです。

この心が暗雲たなびくような曇った状態になり、
嫉妬や怨恨、怒り、悲しみなどの闇の世界に
包まれた時に発揚するのが「天之村雲之剱」なのです。

75剱では「軽の剱」、つまり天剱から始まる技で、
天から地へ巻き落として後、天に帰っていく剱です。

気持ちとしては、天に突き立てた剱を
全身の体重をかけて抜き放ち、
地に柄を突き立てる気持ちで
下に向かって螺旋を描いて落とします。

この時、天上の雲を吹き払う勢いをもって旋回させます。


続く・・・