特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座238


日常の中の中心確保


八力の型をはじめ、和良久の稽古は
中心を知る稽古であることは、
すでにご承知のことと思います。
(古文書には、中心の力とは
天帝(神)のことであると記されています)

八力の型は、螺旋を起こして外なる力を発生させ、
その力を内(丹田)へ運び込み、
また外へ放つ稽古です。
また正座鎮魂の鍛錬は内なる力を外へ放出し、
また内へ反す稽古です。

さて、これら中心確保の動作は日常の中でも見られます。
みなさんは、よく拍手をされると思います。

何か楽しいことがあって手をたたく、
神社に行って拍手する、
「よかった」と感激して手を打つ・・・など。
この拍手、実は中心を確保する作用がある大切な運動なのです。

右の手と左の手が同時に真中に向かってスタートし、
加速を上げて体のど真ん中で
「パーン」と音をたててぶつかります。
中心に向けて左右の力を
バランスよく使ったがためにおきる現象なのです。

拍手とは、神や人を讃美する時に行う所作ですが、
これが同時に体のバランスを整え、手の血行を良くし、
心身によい動作であることも頭のすみにいれておいて下さい。

また、毎日正しく合掌している人は姿勢が良いものです。
その時、手の中がふわっと空いているのではなく、
ピタッと隙間無くしっかり合わさっていることが大事です。
内に向けて力が充実している状態です。

正しい合掌は、正しい中心を確保し、
正しいバランスの基本となり、それは正しい姿勢を生み出し、
正しい姿勢からは、正しい霊魂が流入されます。
これは、卑近な例えですが、汚れて壊れた器には
それに見合った汚れた水が流され、形の整った綺麗な器には、
透き通った綺麗な水が注がれるということです。

キリストも言ってます。
「新しいぶどう酒は、新しい皮袋に入れるべきである」

神様に、また人に、よい水を汲みいれていただけるような
器(体〜姿勢)をつくることを心がけねばと思います。

歩くときも、立つ時も、人は転ばないよう
「前過ぎず、後ろ過ぎず、上がりすぎず、下がりすぎず、
右過ぎず、左過ぎず」などと、自然に注意しつつ、
中心を確保しているものなのです。

心の状態は体に表れ、体の状態は心に表れます。
しかし、心を清く正しく保つことは、
我々凡人には中々なこと困難です。

ならば、体の状態を修正することによって、
心まで変えることが出来るはずです。
体は神様から賜った大切な器です。
汚れたならば洗うことです。これが禊ということです。

武道は禊の神事です。
ことに和良久は禊の神事の重要な部分の
集大成ともいうべき技を八力の型におさめています。

続く・・・