「神剱の里を訪ねて」(3)
素盞鳴尊・手力男命
大和武尊・神武天皇
源義経・ジンギスカン
明智光秀・織田信長
徳川家康・柳生宗矩
佐々木小次郎・宮本武蔵
・・・・これら時代のヒーローたちに共通のものは
「武」である。
混乱紛糾する世をおさめむとて、
彼らは刀を剱に変える努力を惜しまなかった。
命がけで駆け抜けたその人生は
短い一生を永遠のものに変えることに成功した。
彼らの吐息が私にははっきり感じる。
彼らは永遠に変わらないものを手に入れたのだ。
天理教がこの剱の里で発生したのも
決して偶然ではあるまい。
それほど霊剱の存在は大きく強い。
前にも書いたが、天皇の継承も
剱をもってなすという。
大本では、綾部を鶴で象徴して、これを霊とし、
亀岡を亀で象徴して、これを体としている。
そして、鶴亀と書いて「ツルギ」と読む。
ツルギとは霊体一致という意味である。
日本列島は、竜神の姿であり、
これ宝剱であると言われる。
オロチの中からツルギが現れた謎も
納得出来るような気がする。
竜と剱。
これがどんな関係なのか、
和良久になるまで私も理解できなかった。
稽古を通して初めて知った。
ツルギの動きは螺旋運動であり、
これ竜の活動を示す。
竜は、竜宮の乙姫様の化身と顕現し、
剱は、素盞鳴尊そのものである。
内には竜の柔らかさを、
外には剱の固さを秘める。
剱とは「心は穏やかに、身体は壮健」
にという例えでもある。
また、内に静けさを秘める日本人の気質も
剱の魂がなせる業かも知れない。
いま、竜宮の乙姫様が世界を駆け巡り、
まことにその活動の著しいことを感じる。
りゅうぐうの おとひめさまのてによりし
このみちひろがるときぞきにける
つるぎとは れいとたいとがそろいたる
おもてうらなきまことのすがた
続く・・・