「憧れの大日本武道宣揚会」(1)
昭和7年、1932年8月13日
神武発揚のため以下の趣意をもって、
兵庫県朝来郡竹田町に、大日本武道宣揚会が発足した。
<役員>
総裁 出口王仁三郎
会長 出口日出麿
師範 植芝盛平
<大日本武道宣揚会 趣意書>
真の武は神より来るものである。
武は戈を止めしむる意であつて、
破壊殺傷の術は真の武ではない。
否斯かる破壊の術を滅ぼして、地上に神の御心を
実現する破邪顕正の道こそ真の武である。
神国日本の武道は惟神の道こそ真の武道大道より
発して皇道を世界に実行する為に、
大和魂を体に描き出したものである。
徳川三百年、武士道華かなりし時代は、既に
真の武士道は失はれてゐたのであつて、
むしろ真の武士道は言挙げせぬ神代に
存在して居たのである。
今や天運循還、百度維新、東西古今の文物は
翕然として神洲帝国に糾合され、世界人は斉しく
神機の大なる発動を待望して居る。
而して此の混沌たる世界を救ふの道は唯日本固有の
大精神たる皇道を天下に実行するの外無いのである。
吾が大日本武道は神の経綸、皇道の実現のために
惟神の人体に表はされたるものであつて、
蔵すれば武無きが如く、発すればよく万に当る
兵法の極意を尽すものである。
昭和維新の大業は政治経済のみでもゆかず
学術のみでもゆかず、又精神のみでも充分ではない。
吾々は神より下されたる真正の大日本武道を
天下に宣揚して此の大業成就の万分の一の働きを
相共にさして頂きたいのである。
神より発したものは神に帰る。
真の武は神国を守り、世界を安らけく、
人類に平和を齎らすものである。
願はくは此の意を諒せられんことを。
続く・・・