「タカアマハラ」(1)
高天原(タカアマハラ)。
これは一般に天国に相当する意味である。
タカ「マガ」ハラと、アマとマガが混同して
書かれている場合が多いが、アマは天であり、
マガは曲で、まさに天地雲泥の差がある。
天は高く尊く、曲は曲霊(マガヒ)、
または曲神(マガカミ)、曲津霊(まがつみ)
と言われるように所謂、悪霊の類のことである。
よくよく注意しなければならない。
神社神道で、「たかまがはらに〜〜」と
祝詞を奏上しているが、思えば恐ろしいことだ。
こういうのを天津祝詞(アマツノリト)と言わず、
曲津祝詞(マガツノリト)と言う。
自他共に、知らず知らず根底の国へ
引導を渡しているのである。
さて、この高天原という意味は、
古来よりほとんど解説不可能の世界であると言う。
と申し上げるのも、この世界は
天之御中主大神の至情発露であり、
天之御中主大神の現象界なのである。
まずこの神そのものの実在を感得して、
初めてその真相が了解されるものなのである。
よって、それを知る手立ては
「鎮魂帰神法」一つである。
そして、その鎮魂帰神に入る方法は、
言霊75声の助けを借りることである。
言霊の助けによりて大神の御心を覚り・・・と、
祝詞にある通りを、「思う」または「言う」だけ
ではなく「実践」するのである。
実践して体感してこそ、
初めてタカアマハラは開ける。
タカアマハラは、水火の活動力そのものである。
その活動力を知るのには、
同じように活動力をもってしなくて、
どうしてその活動力と融合出来ようか。
「タ」は、火と水が対照し、
向かい合うという意味であり、
また反射し合う力である。
「カ」と「ア」は、「カァ」と続けて発音し、
これは射照り輝くという意味であり、
「マ」は、円満具足と言う意味であり、
「ハ」は、温かく開くと言う意味であり、
「ラ」は、螺旋であり、永遠不滅の活動力
という意味である。
また、タカアマハラは、
「○(円)」の中心に「・(ホチ)」を入れた図で表す。
対照する火と水が、中央に位置する柱(中心軸)を
崩さぬように互いに右旋、左旋の螺旋運動をなし、
火が遠心力を起こせば、水が求心力を起こし、
火が求心力になれば、水が遠心力となって
互いに円満具足なる調和の取れた旋回力の基に
抜群の均衡を保ち、
その旋回によって熱を発生させ、光を放射する、
旋回して止まない永遠不滅なる球体を
現出している世界である。
一言で言えば、火水の一致和合せる状態を
高天原と言う。
例えば、神前等に行った時、
手と手を打ち合わせて「拍手」を行うが、
あの拍手こそタカアマハラを端的に表すものである。
拍手の方法は、左手と右手の両掌をまず合わせ、
(呼吸はウの状態となる)
次に、左手を少し下へずらせて左手を上に、
右手を下にして構える(霊主体従を表す)
そして、両手を肩幅に広げて(吸う息)後、
左右の手を四度打ち合わせ(吐く息)で音が鳴る。
その音タカ、タカ、タカ、タカと鳴る。
両掌を打ち合わせる時、体の中心にて合わせるが、
この時中田を意識すること肝要である。
続く・・・