「眼劒」
眼の光は劒である。
その劒を扱うのが鼻である。
鼻で取り入れた呼吸を、光に変えて眼で
打つのである。
「眼光鋭く」また「眼は口ほどに物を言う」
とか言う言葉あり。
鼻は、活動力の源泉である。
呼吸を取り入れ、以下の力に変換する。
眼は、光を放ち、
耳は、軸を整え、
口は、音を発する。
八劒の型を行う動きを、眼で行う。
これを眼劒と言う。
五体全体をもって八力をなし金剛力を得る。
この金剛力を得たならば、呼吸(霊)をもって
虚空に螺旋を描き八劒をなす鍛錬をする。
<眼劒で行う八劒の型>
用意 〜 まず、中央一点を見据える。
1、首をうな垂れ、眼は下を見る(地劒の姿勢)
2、顎を上げ、ゆっくり上に上昇し天を見て「天劒」
3、顎を引き、ゆっくり下に下降し地に伏せながら「地劒」
・・・以上を4回繰り返す
4、「スー」
■上昇し天を見上げる
■首を内旋2回、外旋2回
■終えたら顎を引き、眼を伏せる
5、「ウー」
■下方から正面を見据える
■上方から正面を見据える
6、「アー」
凝■頭、下方で内旋
■左上に上げ、眼は左上を見上げる
解■頭 上方で内旋
■左下に下ろし、眼は左下を見る
7、「オー」
分■頭、下方で内旋
■正面下から上方に顎を上げ、眼は上を見上げる
合■頭 上方で内旋
■顎を引き、眼は真下を見下げる
8、「エー」
動■頭 下方で外旋
■正面下から上方に顎を上げ、眼は上を見上げる
静■上方で外旋
■顎を引き、眼は真下を見下げる
9、「イー」
引■下方で外旋
■右上に上げ、眼は右上を見上げる
弛■頭 上方で外旋
■右下に下ろし、眼は右下を見下ろす
10、ゆっくり正面を見据えて終了する。
※ 眼劒は無限にほとばしる光であるので、はるか遠くへ
のびのびと螺旋させ、かつ打つよう心がける。
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以上は、首から上を螺旋させて行うものであるが、
慣れれば、首さえも動かさず、眼だけで八劒の型を行う。
また、眼も動かさず、完全に体を静止させて、
水火だけで型をなすに至る。
すべからく、技の向上というものは
躍動的なものから静寂の世界に入るものである。
体で出来たことは、心も出来る。
そして、より体の動きというものが確実なものとなる。
肉体というものがあるゆえ、
分かりやすく具体的に学習できる。
これ現界に生きる者の特権である。
霊だけになってしまえば学びが困難となる。
器を綺麗にし、形を整えれば、中には清水が注がれる。
新しい葡萄酒は、新しい皮袋に入れられる。
この聖言は、正しい体の鍛錬をなせば、
それに見合う正しい心が宿る、との義である。
形から入って、心の世界の深奥さを知る。
心を直にするため、体の練磨をなすが武道である。
続く・・・