特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座564


苦悩の時期の記録 7


(格闘〜ある日のノートから)


いまもなお 消えぬ闘争本能を
おさえることに 苦心しておる吾

腹立ちし 時に一撃食らわして
倒してやるぞと思う吾あり

わが中に 凶武と神武の同居して
火花散らして戦いおれり

若き時 何も思わず人殴り 
うす笑いしたる わが身おぞまし

血を流し 骨を痛めて覚えたる
格闘わざは 身にしみてはなれず

何気なく 動く動作に空手技
いまも顔出すことの可笑しき

怒りたる 時に内より湧き起こる
凶武の力を苦心し抑ゆる

強くなる ことばかりを考えて
いままで生きた 身勝手なる吾

血をみても 平気でおれる吾なれば
獣と変わらぬ 世界に住めり

「来らば来よ いつでも相手になってやる」
そんなやんちゃなわれが存せり

さまざまに 倒す技術を身に着けて
人間凶器となりたる若き日

親兄弟 はたまた実子であろうとも
わが前立てば 敵とや思え

このように 教育せられしわれなれば
容易に消えぬ 格闘だましい

われよりも 力ある者許せじと
人をにらむる 日々のありたる

奇妙なる 声あげ髪を振り乱し
叩き続けた狂気の日々あり

わが中に 神と悪魔と同居して
互いに譲らぬ戦いなしおり

思うれば よくぞ人をばあやめずに
ここまできたと 胸をなでおろせり

もしわれに 神を信じる縁なくば
たちまち修羅と化すは必定

救われし わが身わが魂わが人生
うしとら神の出会いによりて

この力 破壊を促すことやめて
破壊を止める力に変えたる

創造と 破壊は同じ力なり
心の持ちよう ひとつでかわれり

ここまでに 培いしわざ無駄にせず
心いれかえ 神に尽くさむ

いにしえの 神代の技をおさめむと
過去を捨てたることに悔いなし

大神の 光を浴びておればこそ
凶武は影をひそめておれり

鎮魂を 忘れし時にもう一人
破壊を求むる われのありける

和良久とは とりもなおさずわが心
直さむための学びと知れり

講演で 話す内容ことごとく
おのれに対する自戒なりけり

あれやるな これはいけぬと言う
ことは 実はおのれに向かって言えり

善と悪 同時にあらわす みつるぎの
もろ刃の 形に人のさがみる

和良久わざ 習得するに苦心せし
者は誰あろ このわれならむ

この体 神に捧げしものなれば
煮るも焼くるも 神に任せむ

続く・・・