特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座127


「鎮魂の状態をつくる 1」 〜具体的な統一体


先の講座で申し上げました鎮魂の状態を、
たんに感性だけでつくりあげるのは少し難しいので、
和良久では体的に「中心を探る」稽古をします。

その方法を申し上げます。

これは、以前にもやりました方法(立った姿勢で相手に押してもらい、
重心、中心の軸を探る稽古)に関連します。

まず、いつものように正座して、手を鎮魂の印に組みます。
眼は開けています。

その鎮魂者に、パートナーが対座します。

そして次のようにして、パートナーが鎮魂者に対して力を加えていきます。

力を加える対称は鎮魂者の「印を組んだ手」です。

鎮魂の印を組んでる手にパートナーは以下のように、
両手で軽く手を添えて、力を加えていきます。

1、正面から押す
2、手前に引く
3、右に押す
4、左に押す
5、上から押さえる
6、下から上げる

この時、鎮魂者は、その押さえる力に対し、動かないように抵抗します。

そして徐々にどこから押さえられても動かない体勢を模索します。

力比べではありませんので、決して強い力で押したり、
いきなり突いたりしないで、微々たる力でゆっくりやってください。

最初は眼を開けて、前後上下左右に押してくる相手の動きに
合わせますが、不動の位置を確保したなら、
次には眼を閉じておこなってみます。

その際パートナーは、規則的に押す事無く、前から、右から、上から、
など不規則に押していきます。

それに対し鎮魂者は、心に中心を保ち、
大きな柱にすがった気持ちで不動の体勢を確保します。

前でもない、後ろでもない、
上でもない、下でもない、
左でもない、右でもない、

・・・と言った、いつも「ど真ん中」にいます。

いわゆる「中の位置」です。

これが「ウ」の体勢です。

体勢をこのように保つとき、それは体だけではなく、
心も非常に安定した状態に入ります。


続く・・・