「癒し」
鎮魂の印を組み、正座瞑目します。
稽古では、相手に、前後、左右、上下から押してもらい中心を探ります。
そして、相手に押してもらった後、しばらくそのままの姿勢を保ちます。
さて、押した役をしたパートナーは、
鎮魂の姿勢を保持した相手の前に静かに端座します。
しばし、そのままでいます。
さて、いかがでしょう・・・
神聖な、また心地よい感じを受けませんか?
相手はいま「中心」の状態あります。
中心の位置を確保しますと、人は無欲無心になります。
また、その清い心の状態になると人は
「ひもろぎ」(神様が降臨する場)となり、神様の力「他力」が宿ります。
これを「ス」の状態と申します。
「ス」の状態に入ると熱と光が発し、
人がそれに触れる時「癒し」がおこります。
その昔、大和の民は病気の人に対し、鎮魂をもって病を癒していました。
鎮魂は、浮遊、分散する霊魂をひとところに納めて
落ち着かせ、浄化させ、もって尊き神霊に降下していただく神術です。
そのように、深い鎮魂の状態に入ると我を離れ、神様と一つになります。
これを「神人合一」とも言います。
これは簡単に申しますと「中心」を確保したということです。
中心のある人には、中心にある人と出会い、中心的なことをさせられます。
反対に、中心の外れた人には、
中心の外れた人に出会い、中心の外れたことをさせられます。
私心のない人に接すると、本当に心が洗われます。
そして、ほっとした安堵感に包まれ、安心いたします。
「癒し」はそんな時に出てくるのです。
稽古において、相手を中心ある者にし、その力をこちらがいただく・・・
このように、お互いに癒しを与えあうことは素晴らしいことだと思います。
続く・・・