特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座149


「癒し」


鎮魂の印を組み、正座瞑目します。

稽古では、相手に、前後、左右、上下から押してもらい中心を探ります。

そして、相手に押してもらった後、しばらくそのままの姿勢を保ちます。

さて、押した役をしたパートナーは、
鎮魂の姿勢を保持した相手の前に静かに端座します。

しばし、そのままでいます。

さて、いかがでしょう・・・

神聖な、また心地よい感じを受けませんか?

相手はいま「中心」の状態あります。

中心の位置を確保しますと、人は無欲無心になります。

また、その清い心の状態になると人は
「ひもろぎ」(神様が降臨する場)となり、神様の力「他力」が宿ります。

これを「ス」の状態と申します。

「ス」の状態に入ると熱と光が発し、
人がそれに触れる時「癒し」がおこります。

その昔、大和の民は病気の人に対し、鎮魂をもって病を癒していました。

鎮魂は、浮遊、分散する霊魂をひとところに納めて
落ち着かせ、浄化させ、もって尊き神霊に降下していただく神術です。

そのように、深い鎮魂の状態に入ると我を離れ、神様と一つになります。

これを「神人合一」とも言います。

これは簡単に申しますと「中心」を確保したということです。

中心のある人には、中心にある人と出会い、中心的なことをさせられます。

反対に、中心の外れた人には、
中心の外れた人に出会い、中心の外れたことをさせられます。

私心のない人に接すると、本当に心が洗われます。

そして、ほっとした安堵感に包まれ、安心いたします。

「癒し」はそんな時に出てくるのです。

稽古において、相手を中心ある者にし、その力をこちらがいただく・・・

このように、お互いに癒しを与えあうことは素晴らしいことだと思います。


続く・・・