「多面的にとらえる八力」 その(1)
先の講座で、平面的から多面的にとらえるというお話をしました。
さて、ここまで話が進みますと、
霊体一致の法則により実際的な動きに入らねばなりません。
思いを行動に移す、これは「理念を実践する」ということであります。
日本の思想と言うのは、このように「まず理念を打ち立て」
そして「理念を裏付ける」というのが順序であります。
そしてそれを一致させることが霊体一致の顕現であり、
これを「ツルギ」と言います。
高い理念と言うのは、それを実践したときには、
滑らかで温かく力強く速く、そして美しく優しいものなのです。
もし、理念通り動いてみて、それが直線的で堅く、
体に負担がかかって辛いものであったなら、
そして心に平静さを失するようなものであったなら、
それは間違った理念と言っていいと思います。
さあ、稽古に入ります。
相手が「解」を打ってきたとします。
これを「凝」で組みましょう。
内回り旋回の技「解」に対して、こちらも内回り旋回の「凝」で組みます。
すると相手とこちらとで、一つの大きな輪が生まれ、
これで双方とも丸く治まります。
これはもうやっていますのでご理解いただけますね。
さて、次に・・・・
今度は、相手が外回り旋回の「弛」を打ってきます。
通常なら、これを同じ外回りの「引」で組みますね。
しかし、これも内回りの「凝」で組んでみてください。
・・・・どうですか? 組めましたか?
出来ない?やりにくい?
そうですか。
それではこう考えてみてください。
例えば、目前に早く回る独楽(こま)があるとします。
この独楽に対し小さな石つぶてを投げます。
それも前後、左右、上下などいろんな角度から。
どうでしょう? すべてはじき飛ばしますね。
このように旋回の力というものは相手を選びません。
どこからどのように来ても弾き飛ばします。
台風や竜巻、渦潮なども、
そこにどんな障害物があってもひたすら回り続けています。
そしてすべてを巻き込み、あるいは跳ね除けます。
本題の技に返ります。
この「弛」に対して「凝」で組むということ。
外回りに対して内回りで組むのは一体どうしたらいいのでしょう。
続く・・・・