『 何事も心の一筋に止まりたるを病とする也 』
思いつめ過ぎたならば、そこの気の流れが滞って凝りが生じ、それが他に障害を及ぼしついに病になります。
これは単に医学によらず、武道においても先の伝書の言葉にあるように、一所に気を置き過ぎるべきではないといわれます。
剣をうったならば、いつまでも打った先に心を止めず、すぐ捨て去り次の変化に対応する準備をしなくてはなりません。
ぼう〜として、空ろ過ぎてはいけませんが、また、きっとして一点に集中し過ぎてもなりません。
神道には、「○」の真ん中に「・」が入る図形があります。
これは「主の神」の紋章であり、「宇宙」「呼吸」「陰陽」「火水」を表現しているとされます。
これは真ん中の点が「集中」、周囲の円周が「拡散」を表しています。
この文様のごとく、相手を見るに、また物事を見るのには、まず中心を捕らえて、そしてその中心点を囲う周囲をみることが肝要です。
集中と拡散を繰り返して、初めて物事の真相はつかめます。
ものごとはすべからくこのように出来ているようです。
ひとつはすべてのために
すべてはひとつのために
続く・・・