「中級者のための稽古」〜螺旋の特性を活かす (2)
高速に回転しているものは、全てをはじき返す力を有する、
というのは前回に申し上げたとおりです。
ここで、回転について理論づけをしていきます。
技とは、理念と実践の合致した姿だからです。
理念の無い実践は無謀な力でしかなく、
実践のない理念は机上の空論でしかありません。
理念と実践が同時に存在するものが武道です。
こちらで体を鍛える、あちらで精神教育をする・・・
と言った類のものではないと言うことを
認識せねばなりません。
端的に言えば、正しい技の動きは、
正しい心を育むと言うことです。
さて、ここでは、引き続き
「ア」の剱で説明させていただきます。
アは凝で組みますね。この凝というのは、
その霊魂は幸魂で「愛」を司るものです。
相手がどのような打ち方で来ても、
凝で組むという「打ち方」と言うのは、
言い換えれば下記のようなことです。
技 精神
凝解(幸魂ー愛)
分合(和魂ー和)
動静(荒魂ー勇)
引弛(奇魂ー智)
突き(直霊ー省)
つまり、いろんな思いをもって自分に迫ってくるとも
自分はいつも「愛の魂」をもって接すると言うことです。
もし、こちらが「マ」の剱のように「分」で組むなら、
すべてを分の精神である「和の魂」をもって
接するということなのです。
ひとつの技は万に通じ、万の技はひとつに帰す
・・・これの実践です。
続く・・・