特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座316


「眼劒」


眼の光は劒である。
その劒を扱うのが鼻である。

鼻で取り入れた呼吸を、光に変えて
眼で打つのである。

「眼光鋭く」また「眼は口ほどに物を言う」
とか言う言葉あり。

鼻は、活動力の源泉である。
呼吸を取り入れ、以下の力に変換する。

眼は、光を放ち、
耳は、軸を整え、
口は、音を発する。

八劒の型を行う動きを、眼で行う。

これを眼劒と言う。

五体全体をもって八力をなし金剛力を得る。

この金剛力を得たならば、呼吸(霊)をもって
虚空に螺旋を描き八劒をなす鍛錬をする。


<眼劒で行う八劒の型>

用意 〜  まず、中央一点を見据える。


 1、首をうな垂れ、眼は下を見る(地劒の姿勢)

 2、顎を上げ、ゆっくり上に上昇し天を見て「天劒」

 3、顎を引き、ゆっくり下に下降し地に伏せながら「地劒」

  ・・・以上を4回繰り返す


 4、「スー」

   ■上昇し天を見上げる
   ■首を内旋2回、外旋2回
   ■終えたら顎を引き、眼を伏せる

 5、「ウー」

   ■下方から正面を見据える
   ■上方から正面を見据える


 6、「アー」

  凝■頭、下方で内旋
   ■左上に上げ、眼は左上を見上げる


  解■頭 上方で内旋
   ■左下に下ろし、眼は左下を見る


 7、「オー」
   
  分■頭、下方で内旋
   ■正面下から上方に顎を上げ、眼は上を見上げる

  合■頭 上方で内旋
   ■顎を引き、眼は真下を見下げる


 8、「エー」

  動■頭 下方で外旋
    ■正面下から上方に顎を上げ、眼は上を見上げる

  静■上方で外旋
    ■顎を引き、眼は真下を見下げる

 9、「イー」

  引■下方で外旋
    ■右上に上げ、眼は右上を見上げる

  弛■頭 上方で外旋
    ■右下に下ろし、眼は右下を見下ろす

10、ゆっくり正面を見据えて終了する。


※ 眼劒は無限にほとばしる光であるので、
  はるか遠くへのびのびと螺旋させ、
  かつ打つよう心がける。

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以上は、首から上を螺旋させて行うものであるが、
慣れれば、首さえも動かさず、
眼だけで八劒の型を行う。

また、眼も動かさず、完全に体を静止させて、
水火だけで型をなすに至る。

すべからく、技の向上というものは
躍動的なものから静寂の世界に入るものである。

体で出来たことは、心も出来る。
そして、より体の動きというものが
確実なものとなる。

肉体というものがあるゆえ、
分かりやすく具体的に学習できる。

これ現界に生きる者の特権である。

霊だけになってしまえば学びが困難となる。

器を綺麗にし、形を整えれば、中には清水が注がれる。

新しい葡萄酒は、新しい皮袋に入れられる。

この聖言は、正しい体の鍛錬をなせば、
それに見合う正しい心が宿る、との義である。

形から入って、心の世界の深奥さを知る。

心を直にするため、体の練磨をなすが武道である。


続く・・・