「鎮魂帰神の印(2)」
16、鎮魂帰神の手の印は「ヒモロギ」なり
ヒモロギとは神の宿り場なり
17、神道でしつらえる「ヒモロギ」は紙を八垂りに折り
左右四つづつ組み合わせ、麻苧を髭の如く垂らせ
それを松にくくりつける
18、これ一見して平面的な折紙のように見えるが、
実は平面にはあらず、
このヒモロギの紙は、左に螺旋して舞い降り、
右に螺旋して舞い上がる様を模して作られしものなり
19、左旋して神降り、右旋して神昇るなり
この時「オ」の言霊をもって昇り降りを行いしは
「オ」は和魂であり、天地和合の水火なりしがゆえなり
20、鎮魂帰神の印は、人差し指を立て、
中指と親指を丸く合わせて輪を作り、
薬指、小指を内に折り込む手の形を左右合わせたものなり
21、螺旋の渦を象徴せしもの、これ即ちヒモロギなり
和良久の木剱はこの手にて扱うものなり
22、左の手は「火の螺旋」を、右の手は「水の螺旋」を表し、
この左右の手を合わせて「水火(いき)の螺旋」と言うなり
23、この左右の手を合わせた印のうち、人差し指は「ス」を、
親指中指を合わせた輪は「ウ」を、
他の薬指小指の四指を「アオエイ」を表すものなり
24、この手の印を体の中心に置き、正座瞑目をなして
心鎮めて「スウアオエイ」の言霊を発するなり
これ音声により中心を確保するための鍛錬なり
25、しかして順序を過つことなきよう注意を要すなり
この順序を過つことなく行ずることにより
正しき神の内流を受くるを得るなり
26、まず、八力の型によって体の歪みを整えて腰の中心
を見出し、次に八剱の型によって呼吸の乱れを整えて吐く息、
吸う息の重なりつなぎを覚り、中心を知ること肝要なり
27、磨かれた、形整いし器に清水は注がれるものなり
汚れたる、破損せし器には汚水が注がれるものなり
28、彼の如く、まず身を整え、呼吸を整えて後、
鎮魂をなさざれば危険極まりないものとなる
29、興味本位にこの術を行うものにあらず
妖魅界の虜となる恐れあることを重々心に留め置くべし
30、おのれの欲のため技を練るものは悪魔の入れ物となる
31、武道とは、地上に神の御心の実現する
破邪顕正の道であることを深く心に留め置くべし
続く・・・