特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座409


「言霊の力」


出口王仁三郎聖師は、本当の言霊とは
「イタチの最後っ屁」または「蜂の一刺し」のような
ものだと言われました。

「本当の言霊は、一度発したら二度と使えない」
ものなのだそうです。
それほど命がけのものなのでしょう。

大本開祖の筆先にも、このままでは
泥海となるより仕様がない、
しかし世を救う一厘の仕組がある・・・と記され、

その一厘の仕組と言うのが「言霊なり、火水なり」と
王仁三郎聖師は注釈を加えられています。

水火は「イキ」と読み、和良久で再三申し上げています
気よりもさらに根源的な力です。

具現的には呼吸であり、内在的には魂魄であります。
それらは螺旋という形をとって顕現します。

言霊は、澄み切る虚空より一点の「ホチ(点のこと)」現れ
これが「ス」であり、右旋、左旋をもって、
大いなる凝縮力となる「ウ」を発生させました。

中心の軸とも言える「ウ」が出来上がると、
それは右旋して横に広がり「ア」を生み出し、
次に同じく右旋して上下に伸びて「オ」を発生させました。

これで、右旋の横と縦で十字が組まれると、
次は逆旋回である左旋運動が起こりました。

左旋の縦方向で「エ」が、そして最期に左旋の横方向で
「イ」が生まれました。

「スーウ」を柱に、「アーオ」の右旋の十字、
「エーイ」の左旋の十字が整い、左右対称の力である音声
「スウアオエイ」が揃いました。

宇宙を創造させた初発の言霊であるこの「スウアオエイ」こそ
完全なる球体であり、円満具足なる霊体一致の様であり、
神の全体であります。

そして、我々が言霊を発射するに際して欠くことのできない
基本的音声となります。

この言霊あてこそ宇宙の秩序が維持されるのです。

父なる音「スウアオエイ」の言霊には75声の子供達がいます。

75声それぞれが剛体(固いもの〜鉱物)、
柔体(柔らかきもの〜植物)、流体(動くもの〜動物)を形成し、
またこれらが発する生命維持の音響となります。

例えば風や水の音、または何かが磨れる音は「サ」行です。

金属音は「カ」行。木々の当たる音は「タ」行。
粘りのある「ナ」行。温かい呼吸の「ハ」行。
柔軟な張りを表す「マ」行・・・・

75の音声からは、このように万物の活き活きとした存在を
肌で感じ、またその特質を探ることが出来ます。

物があるから音が出るのではなく。
音があるから物が生まれたと言うのが、聖書でおなじみの
一節「はじめに言葉あり。
言葉は神と共にあった」の意味です。

人がいたから「ヒト」と名づけられたのではなく、
神が「ヒト」と言われたから人が誕生したのです。

言霊の運用如何で平和が訪れ、
また戦争も起こしていまいます。

そういう意味で、いまは
言霊の乱れに乱れた世の中と言えましょう。

まことの神を認めず(スの反意)、
前後の見境いなく、恥じる事無く(ウの反意)、

左右の隣人を愛せず(アの反意)、
上下の差別激しく(オの反意)、

自己のためにのみ勇み立ち(エの反意)
古人の智恵に耳を貸さず(イの反意)

・・・世界が混乱紛糾にあえぐいま。
まことの言霊の復活を切実に思います。

蜂の一刺しといわれるほどの威力を発揮するまでに
ボルテージを上げ、一厘の仕組に間に合うものとなれば、
武を練るものとしてこの上ない幸せに違いありません。

言霊、神代文字、霊学など、日本が世界に誇る
秘教の結晶であり、集大成である和良久の技。

私は、ひしひしとこの道に携われる喜びと
心地よい緊張感を味わっています。

そして少しずつ理解をしてくださる同士が増えて
嬉しい気持ちでいっぱいです。


続く・・・