「螺旋を起こしてから組む」
〜ワンステップレベルアップのために(1)
組み稽古をするとき、相手の打方を75劒の
いずれかの技で組み、そして打ち返す訳ですが、
稽古で、皆様の動きを拝見してみるに、
相手の打ちに対して、いきなりウの状態から
鋭角的に組んでおられるのをよくお見かけします。
例えばアの劒なら、コロコロッとではなく、
ガシッと凝で組み、しかしてのち、
申し訳程度に旋回させて
解などの打ちに転じておられるのをよく見ます。
これではいけません。
これでは既成の剣術と変わるところがありません。
いつも申しますように、
ツルギの発するエネルギーは螺旋波動であり、
この螺旋波動こそが魔の力、
鋭角波動を消滅させるものなのです。
これを破邪顕正と言います。
このように破邪顕正とは、具体的には螺旋波動を
起こすことなのです。
言霊の響きで言えば
「コオロコオロ」という音響の働きです。
この螺旋波動が高次元の「光」を生み出して
外に放射し、闇を照射するのです。
よって、稽古でこれをなさなければ
ツルギの技としての意味はなさず、
また、かえって、知らず知らずに
格闘技やスポーツレベルの
低次元な鋭角波動を発していることになり、
その道に身を落としてしまうことになるのです。
これは自分のみならず、
相手にも悪影響を与えてしまいます。
組むときは、一人でやるのとは違って、
緊張感が出たり、タイミングや、距離感が
つかめなかったりで、
調子が出ないことなど往々にあるでしょう。
だからといって、安易に、その場逃れで、
とりあえず怖いから相手の打ちをガツンと受けて、
それからとってつけたように劒を螺旋をさせ、
最後だけ八力の内の何かをバシッと決めても、
これはまったくツルギの技と目的から
逸脱したものとなってしまいます。
怖いからこそ、それを克服し、
闇のエネルギーを光に変える
螺旋を起こさねばならないのです。
相手のためにも、自分のためにもです。
自他和楽の世界への誘いです。
大事なのは「最後にうまく打ちを決める」
ことではなくて、打ちに至るまでのプロセスが
ちゃんと螺旋波動を発するもので
あったかどうかです。
これは結果ではなくて、
その過程を重視せよということなのです。
結果だけを見て、
人を判断する傾向にある昨今です。
我々の眼も心も、
その考え方に慣らされてしまっています。
これは元来日本には無かった思想のはずです。
すべては徳を高めるために行わねばなりません。
高い徳を得ることによって
災害災難から縁の無い状態に入ります。
安心立命とは、ここから生まれます。
続く・・・