特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座475


「入身」


私たちは、宇宙創造の言霊「スウアオエイ」に始まり、
75声の旅の途上にあります。

その言霊は、水と火の力、つまり俗に言う陰と陽、
プラスとマイナスなどの相反する
エネルギーの交流によって成り立っています。

その働きを学ぶのに、我々は木劒という道具を使って
人とコミュニケーションをはかっています。

螺旋による、相手の、または自分の起こす遠心力、
求心力によってお互いを補い合い、
完全なる全き力を創造し合います。

この円満具足なる遠心力、求心力の発生、
交流する螺旋の世界を「タカアマハラ」と言います。

螺旋は金色の光を発生、放射しています。
和合の力なる螺旋波動〜これが神の光なのです。

それは、お互いに過不足のない、精神と肉体の
満ち足りた状態を現出する空間であります。

一人一人が、この確固たる中心(秩序)をもち、
和合し続けて止まない空間
「タカアマハラ」を現すことが
今最もなさねばならないことだと存じます。

それを具体的に学ぶのが「75劒」です。

日本の技の学びは、すべて言霊をもって
なさなければなりません。

なぜなら、日本は「言霊の幸はう国」であるからです。

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75劒は、一人で形が整ったら、次に二人組んで
稽古を行はねばなりません。

まず「ア」の劒から始まる75劒ですが、
75劒は、ヨコ20劒、タテ20劒の合計40の劒の技を
習得していただかねばなりません。

そんなに沢山?と驚かないで下さい。
ここに、一つの法則があります。

この法則に従えば、共通点を見出し、
関連性をもって習得していくことが出来ます。

これは技全般に共通の動きです。

心配しないで下さい。
私はきっと皆さんに75劒を身に着けさせてみせます。

私はその為に和良久を世に出しました。

これを学んでいただくことによって皆さんに
生きながらにして「タカアマハラ」を
知っていただきたいと望んでいるのです。

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では、早速法則についてお話します。

まず、「入身」に入ることです。

次に「受身」になる。

そして「放出〜打ち」になるということです。

この三つについて、一つづつ解説します。

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1、入身(いりみ)

武道にこんな道歌があります。

『打ちかかる太刀の下こそ地獄なれ、
一歩進めば先は極楽』

分かりやすくするため、
例えば台風に例えてみましょう。

台風は、暴風圏内に居れば吹き飛ばされるが、
台風の眼の中に入れば大丈夫と言うこと、
つまり力の中心〜「ふところ」が安全なんですよ、
ということです。

そこに居たら切られる、また、逃げたら
なおさら追ってくる勢いも加わって、
一層強く切られる・・・

だから、前に入って、相手と交わるのが
最良の策だ、ということなのです。

もうひとつ・・・
勢いよく回転する独楽(コマ)の周りに
接触すると飛ばされるが、
真ん中の軸を押さえると独楽は止まる・・・
と言うことです。

とにかく、ここでは、打ちかかる相手の
懐に入っていくことをさしてします。

入身は、同時に捨身であります。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、と言います。

迫り来る相手の太刀の下に踏み込むには
勇気がいるものです。

逃げていても始まらない、ならば入っていくことです。
入って、相手と一つになって動く、
そのように相手とまず一体となる起動時の
速さと強さがことさら要求されます。

入り方は、中田に力を入れて、
相手にぶつかっていくように真っ直ぐ入ります。

劒は、大きく螺旋をさせて間を確保します。
相手との無謀な接触を避けるためです。

この劒の一巻きで、自分の制空権が確保されます。
まず安全の確保、物事、これが第一でしょう。


まず、最初の第一歩・・・
物事は、一歩踏み込む勇気、決意から始まります。

人生はこの繰り返しです。

入ってみて、さあ、思ったより厳しいか、
あるいは思ったより楽だったのか、
そのいずれかでしょうが、

とにかく思い立ち、そこへ行くとドアがあります。
そのドアはノックし、開けなければなりません。

開けるのはドキドキします。
でも、迷いをふっきってドアノブを持ち、開けるのです。

中には何が待ち受けているのかわかりません。

怖いけど、でもきっと・・・と言う何かにほだされて
人はドアをあけるのです。

さあ、小さな冒険旅行の始まりです。

「一歩進めば先は極楽」となるように我々には
「技」というものが与えられているのです。


次は、「受身」の話をしましょう。


続く・・・