特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座551


言霊発声で心と体の表情豊かに


五大父音と言われる「アオウエイ」の言霊を
バランスよく明瞭に発声することによって
人のもつ表情が豊かになる。

表情豊かなれば心も豊かとなる。


「ア」は、幸魂〜愛の心を育み

「オ」は、和魂〜親しみの心を育み

「ウ」は、直霊〜省みるの心

「エ」は、荒魂〜勇ましい心を育み

「イ」は、奇魂〜知恵を育む

「ス」の音は澄み切り澄み切った神様の音。
その表情は、例えば半眼で、半開きの口元を湛えた
清楚な仏像のかんばせの如きである。


「ア」と「イ」の音を良く使う人は、
横にぺちょっとしたやさしい『横長』で丸顔。

「オ」と「エ」は、固く険しい『縦長』の角顔。

「ウ」は、中央にすぼまったような形で、
物事に集中し、『中央』に寄ったような顔を造りだす。

注意せねばならぬのは、どれかの音声に偏ったならば、
良くない方へ働くということがある。

「ア」は、良い方へはたらくと、
柔らかくて愛に満ちた表情を作り出すが、
偏ったならば自己愛となり、疑い深さを造り出す。

「オ」は、良い方へはたらくと、
相手の言葉に同意せる和合に満ちた表情となるが、
偏ったならば排他的な表情を造り出す。

「ウ」は、良い方へはたらくと、
集中した真剣な眼差しを感じさせるが、
偏ったならば周囲に人を近寄らせない
とげとげしい雰囲気を造り出す。

「エ」は、良い方へはたらくと、
すべてを快く受け入れる寛容さと力強さを醸し出すが、
偏ったならば、攻撃的な圧力を造り出す。

「イ」は、良い方へはたらくと
思慮深い聡明さが伺える表情を作り出すが、
偏ったならば苦虫を噛み潰したような
苦悩に満ちた表情を造り出す。


発声の時は、胸式なら「肩で息をする」と言われる如く、
上半身を揺り動かすような大きな呼吸法である。

しっかり鼻から胸に空気を注ぎ込んで胸を膨らませ、
そして胸に空気を溜める。

次に圧をかけて中から外に向けて胸をパンパンに
張らせて後、「ア」または「イ」を声に出して発声する。

意識は「上田」にもつ。

腹式は、肩を揺り動かさず、静かにお腹に空気を落とす
ように流し込み、お腹を膨らませ、お腹に圧をかけて、
いわゆる腹圧をかけて息んだ後、「オ」または「イ」を発声する。

この時、上半身は動かさず、その分、
下半身が揺れ動くような安定した力強い呼吸をなす。

意識は下田にもつ。

そして「ウ」は、全身呼吸、または胸腹式同時呼吸と言う。

これは、空気を胸と腹を同時に膨らませて取り込む、
字の如く全身を使った呼吸法で、
全身が動かない静止状態となる。中田に意識をもつ。

これを正しくおこなうことによって、
顔同様に体全体にもバランスが整い、表情が豊かになってくる。

例えば、呼吸は出産と同じである。
神典にある「神霊原子」と書いて「こえのこ」と読むと。

体内に水火を溜めて張らむ・・・これが吸う息であり、
そして「声の子」を産むために息んで出す・・・
これ吐く息である。

このように、水火は、呼吸を生み出し、音声を発生し、
体型を形作る。

いまある自分の顔の形や、体の形は、長年に渡り
自分が発生させた水火が凝って出来上がった形で、
まさに自業自得の賜物である。

近頃、美容に良いとかで、顔面体操というものが
女性の間で流行っているようであるが、

それと同じように、「ア」「オ」「ウ」「エ」「イ」と
各音を呼吸と共にはっきりと発声することによって
前後、上下、左右に顔の筋肉がほぐれて均整がとれ、
表情が美しく豊かになる。

美しいとは、前後上下左右のバランスが整った状態を
いうのであり、形のみならず心の状態もこれに当てはまる。

身体には、アオウエイの水火により
剛、柔、流の「三元」が整い、

心には、アオウエイの水火により
愛、親、省、勇、智の「一霊四魂」整い、

はたらく力には、アオウエイの水火により、
凝、解、分、合、動、静、引、弛の「八力」整う。

「アオウエイ」は、、「天地結水火」と言う、
丸に十字の文様を作り出す。

これは宇宙の秩序を表す。
それは、バランスであり、力である。

この言霊の乱れるとき、すなわち宇宙の秩序の崩れる時であり、
即人心荒廃し、天変地異が発生する。

どの音も大事であり、この言霊の運用を神経質なほど
意識して活用なすべきである。

言霊は宇宙の運行を司るエネルギーの源泉である。


続く・・