特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座65

75剱〜言霊剱 (22)

「木剱」

神の水火(呼吸・息)の凝ったもの

神の力の具現化したもので、実体はありません。

銅や鉄で作成された物が出土しますが、それはあくまで
人が肉眼でわかるように形として表したものであって、
先にも言いましたように本来は決して実体はありません。

「水水火」と書いて「ツルギ」と読むのを見ても
これは水火〜呼吸の具現化であることが伺われます。

この地上でツルギを唯一代用できる素材が「木」です。

そのほどよい固さ、柔軟性となにより削っていく過程でまた、
使っていく過程でその使用者の「気」が通っていきます。

そしてツルギは、使用者の呼吸の形そのものとなって活動し始めます。

また木は衝撃を受けた際、その衝撃を吸収して「力」に変化させます。

相手が打ちかかってきた衝撃を、そのまま相手に返す技術が
ツルギの技の特性ですが、自力も加わって相手に返っていく力は
何倍ものものとなります。

ツルギはまた人体の構造そのものです。

ツルギを立てた状態を見れば分かりますが、
まず天と地があり、正面と裏があります。

天は頭、末広状に広がった地は足。

刃の側が人の正面。裏の棟側が人の背。
人が立っている状態です。

上から、「ものうち」と言われる剱が相手に向っていく部分。
これは人の額に当たる「上田」という丹田です。

剱と剱とを組む部分、剱の丁度真ん中のところですが、
ここは人の胸と腹との境目の部分で、鳩尾と言われ、
「中田」という丹田があるところです。

そして剱の右手が入る部分で、ツルギでは窪んでいて
親指と中指がリングを形成する部分があります。

ここは最も重要な個所で。木剱を作成する者が削る際に
一番苦労する個所です。

またここは「八力」を発動させる「コントロールセンター」
のようなところで、この部分の扱い如何で剱の技はもちろん
体全体の動きが決定します。

人の体で言えば最も大事な部分である「腰」にあたります。
ここは「下田」という丹田があります。


続く・・・