特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座 誌上講座

誌上講座96


稽古の順序とその意義(1)


1、 準備体操

2、 素手 八力の型

3、 鎮魂

4、 剱  八力の型

5、 四方打ちの型

6、 火の型(打ち方の稽古)

7、 水の型(受け方の稽古)

8、 水火の組稽古(二人)

9、 水火の組稽古(三人)

10、水火の組稽古(多人数)

1、準備体操

準備体操は、すべて体を螺旋に動かして行います。

首を回し、肩を回し、腰を回し、上体を回し、膝を回し・・・
などの回転運動によって構成されています。

これは体を緩め、剱の稽古に必要な螺旋運動に
入っていくための準備です。

ちなみにこの和良久の準備運動は、体の硬さを取るのに良い動きです。

ある雑誌に「肩凝りをほぐす体操」としてのっていた運動法に
よく似ているのに驚きました。

2、基本「八力の型」 〜素手  

和良久の大基本で、また、動く鎮魂帰神法とも言えます。

人体の中心と重心を形成させ、体にタテとヨコの軸を作ります。

脊髄を伸ばし、骨盤を動かします。
体全体をポンプのようにして、呼吸を体内深くに取りいれます。

腰を前後・上下・左右に動かし、骨盤を開閉させます。
体の歪みを正し、血行を促進します。

内蔵下垂を防ぎますので、腰を楽にさせ、便通がよくなります。

自然治癒力が高まり、少々の風邪ならこれをじっくりやると
風邪が飛んでいきます。

要領は、螺旋運動に合わせ呼吸を円滑に働かせながら動くこと。

動きの形を図にすると以下のようになります。

「+○・」このように縦線と横線の十字、丸、点の三つを
終始描きながら型は構成されています。

これは宇宙の紋章を全身で書いていることなのです。

気持ちは、天地を貫き、宇宙間を往復する気持ちです。

神の実在を身に感じ、一体感をなった喜びに満たされます。

型の所要時間は様々です。

静的な型〜 時間をかけて行う。約10分〜20分(これを4回)

動的な型〜 時間をかけずに出来るだけ早く動く行う。約30秒〜1分(4回)

・・・この二つに分けます。

静的に行う時は、精神の安定、魂の探求、健康増進、治癒能力促進

動的に行う時は、運動能力向上、螺旋運動の円滑化、筋肉増強

・・・以上の目的別に分けられます。

このように目的に合わせて時間を調整します。

例えば、精神的に満たされゆったりとした気分に入りたい時、
または体内の治癒力を高め、病に対処したいときは、
ひとつの型にじっくり時間をかけて行います。

つまり動きから動きの間の「制止時間」を長くするのです。

私も、体の調子を回復させたいときなどは、この型ひとつに
じっくり取り組み、型ひとつを行うのに時に30分ほどかけたりします。

爽快この上ない境地に入り、感謝の念に満たされます。

逆に、体力を充実させたい時などは、高速で行います。
それこそ飛行機のプロペラの羽根が回るように、
びゅんびゅんと回転させながら八力を行うのです。

汗がしたたり落ち、腰が心地よい痛みを覚え、仙骨が刺激されます。
筋肉が張って来て、筋肉通をおこすほどです。

しかし、道具を一切使わないで全身を鍛えるのですから、
体にまったく害はありません。

これほど安全で機能的な瞑想法と運動法を兼ね備えた稽古は
他にあるでしょうか?

私もこの年までいろいろ運動や瞑想を行ってきましたが、
和良久のような動静がうまく調和し、複雑でなく心と体を
向上させてくれるような稽古法は初めてです。

世界に出して恥ずかしくないものと確信します。


次回は3の「鎮魂」から・・・


続く・・・