稽古の順序とその意義(2)
前の稽古に引き続きまして、鎮魂の実習に入ります。
鎮魂の印とその意義につきましては、
以前の誌上講座で説明させていただいた通りです。
今回はその順序について申し上げます。
まず正座です。
顎を引いて背筋を伸ばして姿勢を正します。
腰と言う「台座」に上体という大切な「御神体」を安置する気持ちです。
次に、両手指を一杯に広げて上にあげ、両肘を閉じるようにします。
左手の小指の上に、右手の小指をのせ、準じ指を重ねていきます。
一番上の「人さし指」の先端を合わせ、
内側に向けて両手を閉じていきます。
閉じる際に、左手の中指を挟んで、
右手の親指と中指を組み「リング」を作ります。
次に左手も、親指と中指を合わせてリングを作ります。
これで、人さし指を先端とする「鎮魂帰神」の印の形ができました。
印をアンテナにして、それを立てるようにして、
肘を左右肩幅に張りそっと印を下に降ろします。
肘が肩幅に張っていると、手は丁度胸の高さ、
すなわち心臓の高さで止まります。
この高さを保ちながら、静かに呼吸を整え瞑目します。
時間は最初は5分程度から始めて下さい。
10分、15分…と慣れるにしたがって徐々に時間を増やします。
20分から30分ぐらいはやっていただきたいものです。
出口王仁三郎聖師は霊山「高熊山」のご修行でなんと
一週間もの間この姿勢を保持されたのです。
聖師様の場合は、神様からの導きあってのことで非常に特別な状態に
おかれてのケースですから、我々とは比べるべきものではありませんが、
しかし、神様のご命令でなし得た、聖師様の霊界探検の
この偉業を偲ぶとき私達も思わずそこ力が湧いてまいります。
さて、鎮魂中は徐々に腕がつらくなってきますが、
これは姿勢が崩れていることが原因してることが多く、
体を前後、左右に少し動かしてみて「中心」を探してみて下さい。
「中心」が見つかると、すっと腕が楽になり、
その後割と平気で長時間耐えられるものです。
鎮魂の印…それは大工さんが使う「水平器」のようなものです。
身体が天に向かってまっすぐであり、
地に対し平行であればそこにあるのは安堵感です。
健康的にも非常に良く、精神的には「集中力」が高まります。
この「鎮魂」は簡単に言ってみれば充電であり、「帰神」は放電であります。
また鎮魂は「神からの道」であり、帰神は「神への道」であります。
以上が鎮魂の概要です。
あとは各人が日々実習を重ねられ本当の自分と一体となり、
本当の神とつながるようつとめられることです。
和良久のツルギの稽古は動的な「鎮魂帰神の神術」であり、
この正座瞑目せる鎮魂は静的な「鎮魂帰神の神術」であります。
続く…