稽古の順序とその意義(3)
さて、「鎮魂」が終わりまして、いよいよ剱をもった稽古です。
この鎮魂で培った、主に以下のことを大切に保持しつつ
4番目の「剱 八力の型」の稽古に入ります。
1、集中力が高まり、安定した精神性
2、腰が落ち、背筋が伸びて姿勢の整った身体
3、丸い腕の角度と、鎮魂の際につくった手の印の形
まず、心を穏やかにして姿勢を正し、印を作った手の形で剱を持ちます。
そして、稽古の二番目に行った「素手の八力の型」同様に動きます。
やはり一回り目は、制止時間を設けてゆっくり行います。
そして二回り目は、動作を止めずに行います。
素手と違うのは、素手の場合は「腰を中心とした力」を練るということ。
剱を扱うのに必要な体力と、力の入れ方を学習します。
つまり素手は「自力」を造る稽古です。
剱の場合は、「呼吸を中心とした力」を練ると言うことです。
呼吸は目に見えない存在です。
呼吸の凝ったものが剱なのですから、手に呼吸の具現体である剱
を持ち、その働きを学習するのです。
この剱は「他力」を練る稽古です。
もっと平易に言えば、素手は、肉体というハードを充実させる鍛練です。
剱は、呼吸力(息〜気)というソフト面を向上させる鍛練です。
素手では力を入れることを、剱は力を抜くことを眼目とします。
続く…