稽古の順序とその意義(5)
7、 水の型(受け方の稽古)
「水の型」これは、いわゆる「75剱」の稽古のことです。
和良久の稽古には日本の柱があります。
一つは、基本の型「八力の型」であり、
もう一つが、応用の型「75剱」です。
基本的な動作、呼吸、思念などが「スウアオエイ」の音声から
生まれたということはすでにご承知の事と存じます。
まず宇宙には「ス」の音声が現れました。
これがスースースースーと大気が霧状に渦巻き、ついに「ウ」
となって凝縮され、大きな力が発生しました。
この力が「ア」となって右から左に旋回しうつヨコに広がり、
優しく凝り、また優しく解く力を生みました。
次に「オ」となって右から左に旋回してタテに上下し、
和やかに分かち、また和やかに合わさる力を生みました。
今度は「エ」となって左から右に旋回してタテに上下し、
勇ましく動き、また勇ましく静まる力を生みました。
次に「イ」となって左から右に旋回してヨコに流れ、
秩序正しく引き、また秩序正しく弛じまる力を生みました。
そしてこれら「凝解分合動静引弛」の八つの力をもって宇宙は創造され、
次いでこれらの八つの力の組み合わせで75通りの力が生まれて
万物は生成化育されました。
75と言うと「そんなに沢山の技なんて覚えられない」と言われるかも
知れませんが、ご心配なく。
75剱には一定の規則性があります。
八力の型をしっかりマスターすれば、75剱はその応用みたいなものなので
比較的容易にこなしてゆくことが出来ます。
さて、ここで75剱の技をすべて列記しても、
かえってややこしいだけですので主要な部分の
「八力」の運用だけを述べます。
75剱に入る前にまず、基本的な取り決めを定め、それを以下に記します。
●相手に対し「ウ」で付けること、そして最後も「ウ」で終わること。
●重の剱「アオウエイ・ダドヅデヂ・マモムメミ・ナノヌネニ」の20剱は、
途中「天剱〜ス」を入れて「間と溜め」をつくること。
●軽の剱「ヤヨユエイ・カコクケキ・パポプペピ・タトツテチ」の20剱は、
途中「地剱〜ウ」を入れて「間と溜め」をつくること。
●呼吸を止めないで、円滑に吸う、吐くを行う。
●剱を固く握りしめず、剱の「自転運動」に任せること。
●力は腕力ではなく、腰からくる「八力」だけを用いること。
●相手に打ちを加える時、「力を差し上げる」と言う気持ちで打つ事。
●決して相手と「競う」という気持ちを持たないこと。
●最初は角張って固くてもよいので基本にのっとって正確に行い、
慣れてきたら丸く螺旋運動になるよう心がける。
<75剱>
重〜ヨコの剱
組む力 打つ力
ア |
凝 |
解 |
オ |
凝 |
合 |
ウ |
凝 |
ウ |
エ |
凝 |
静 |
イ |
凝 |
弛 |
ダ |
引 |
解 |
ド |
引 |
合 |
ヅ |
引 |
ウ |
デ |
引 |
静 |
ヂ |
引 |
弛 |
軽〜ヨコの剱
組む力 打つ力
ヤ |
解 |
凝 |
ヨ |
解 |
分 |
ユ |
解 |
ウ |
エ |
解 |
動 |
イ |
解 |
引 |
カ |
弛 |
凝 |
コ |
弛 |
分 |
ク |
弛 |
ウ |
ケ |
弛 |
動 |
キ |
弛 |
引 |
現在以上の「20剱」だけを行っていますが、
追って「タテの剱」をやはり「20剱」行う予定です。
また稽古を行う際に、事前にこの誌上講座で解説したいと思います。
続く・・・