「有形の剱、無形の剱」
前号に引き続きの内容になります。
剱で行う動きを素手でもやってみます。
有形の剱をもって、呼吸と身体をつなぎ合わせます。
次に何も持たずに素手で75剱を行うのです。
無形の剱です。
その規則性は「八力の型」さへしっかりやってればかなり容易に出来ます。
「水火の球」つまり息の球体を手の中につくって、中空で転がすのです。
左右運動で上がり、下がり(凝解引弛)をし、
また上下運動で上がり、下がり(分合動静)をし、
そして前後運動で上がり、下がり(ウ)をします。
最初は慌てず、八力を意識しゆっくりと正確に動きます。
動きなれたら、それ(息の球)を駒のように回転させて
みます。手の中で高速に動く球体を実感しましょう。
そして、今度はその高速回転させた球を打ってみましょう。
どこまでも遠く、あの空の彼方までも、銀河の彼方までも。
そうして、素手と剱を交互に稽古をします。
手の中に剱が出来るまで稽古をします。
「水火の剱」が身につくまで。
私たちは肉体を所有して現界に生きています。
ですから、その現界の法則にのっとって稽古をしなければなりません。
眼に見える形をおろそかにせず、
剱をもってしっかりと形(動き)を整えていきます。
息で相手と無形の剱を組んだり、打ったりします。
それを架空のものとせず、実在のものとして実感します。
それからの稽古です。この素手の稽古は。
まず、「アオウエイ・ダドヅデヂ・ヤヨユエイ・カコクケキ」
のヨコの剱を素手でマスターしましょう。
間もなく「マモムメミ・ナノヌネニ・パポプペピ・タトツテチ」などの
タテの剱も稽古してもらいます。
これら素手の稽古により、剱の動きも一層力強く、
正確に動くことを得ます。
また太極拳の理の一部がこれで分かると思います。
気に対して敏感な人は、手に確かな感触を得ることが出来ましょう。
皆さんの稽古の幅がこれで一気に拡大します。
続く・・・