「技の上達段階」
物事には段階というものがあります。
習い事の世界に入った人が、
いきなり先生の真似など出来るわけも無く、
最初はたどたどしく自信無げに動いていきます。
その動きたるや、力みかえり角張った、
息の詰まった、いわゆるカチンカチンの動きです。
強さだけの世界です。
これが「剛」の段階です。
しかし、適切な指導のもとで、
動きの無駄を省いていきますと柔らかさが出てきます。
動きの節目が途切れることなく、
いわゆる線がつながった(息がようやく通った)状態です。
速さの世界です。
これが「柔」の段階です。
そしてついに細かい部分の動作を行える余裕が出てまいります。
緻密で、動作が滞らない、流れるような動きへの到達です。
こうなると動きに丸みが出、速さ、強さも加わって美しさが際立ちます。
これが「流」の段階です。
以上のどれもが「動」の世界です。
しかし、この動を益々追及していくとまた「静」に帰ります。
(この動、静は八力のそれではなくて、動く、止まるのことです)
どれが良い、悪いではなく、
すべてが経てこなくてはならない過程なのです。
点という極まりの位置から始まって、
大きな渦〜螺旋に広がりそれがまた極まって点に帰ります。
八力の型では「天」を指す動作から始まり、
徐々に螺旋運動に変化して、それがヨコに、タテに巡り、
最後に地平を指すことで型を終えます。
八力の型は宇宙創造の過程を端的に表現したものです。
さて、剱の技の上達段階も、以上の如くで、
大まかには「一の剱」「二の剱」「三の剱」とステップ別に分けられます。
そして、さらに「四の剱」「五の剱」と究極の技に入っていきます。
「一の剱」・・・直線の動き ( □ )
↓
「二の剱」・・・円の動き ( ○ )
↓
「三の剱」・・・螺旋の動き ( ◎ )
↓
「四の剱」・・・点の技 (・)
↓
「五の剱」・・・水火の技 ( ○ ・)
続く・・・