特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座 誌上講座

誌上講座384


「結び」


私達の行う螺旋運動は、平面的な旋回ではなく、
前後、上下、左右に膨らみ、また縮む立体的な、
それはまるで宇宙ゴマのような動きをします。

それは上がっては下がり、右へ向いては左へ向い、
前に伸びては後ろに戻りする中で、
線と線が複雑に絡み合い、結び目を作り出します。

その結び目を創り出す交差点こそ
堅固な「力」を発生させる部分なのです。

螺旋は、火と水(言い方を変えれば陰と陽、
プラスとマイナス、右と左)の両極を結び合わせる運動です。

例えば縄の結っている様を思い出して下さい。

藁をクルクルと手でねじって、ねじって寄り合わせていき、
そのより合わせた藁を二束、またクルクルと捻って
寄り合わせていきますと、強い縄が出来上がります。

また、私達が稽古の時につける道衣。
まず、下ズボンの紐を結び、上着を羽織って帯を結び、
最期に袴を履いて、袴の紐を結びます。

右の紐と、左の紐を結び合わて
しっかり体にフィットするように締める。
この「結ぶ」と言うのも螺旋から成り立っています。

このように、上と下のものを、右と左のものを、
前と後ろのものを合わせることを「結ぶ」と言います。

人と人が結ばれることによって団結し、
男と女が結ばれることによって結納が成り立つなど、
離れているものを集め固め和合させる。

物ばかりではなく、心と心を結ぶ、約束を結ぶなど、
交わりあい、協力しあうことも結びの技です。

全身を勢いよく螺旋させ、上がり下がりする和良久の技は、
龍神が天に上がり、地に降り、
虚空を翔ってるような雄大な気持ちにさせます。
それは天と地を結び、神と人を結び、
人と人を結ぶ「結びの型」であります。

両手の指を絡み合わせて鎮魂の印を組むのも「結ぶ」と言い、
これは螺旋の火と水の組み合わされる形を表したものです。

この「結び」の力によって熱が生じ、
「蒸され」、そして「産む」に至ります。

結びの働きをもってものを産み出すことの
尊さを学ぶのが和良久です。

和良久が「和合」の技と言われるのは
以上のような訳です。


続く・・・