「運動神経がないから稽古が出来ない??」
〜 スポーツと武道の違い(2)
さて、スポーツと武道の運動形態の違いについて述べます。
よく「私は運動神経がないから武道は出来ません」と
おっしゃる方がいます。
それはスポーツと武道を混同されてるからだと思います。
武道はスポーツとは全く違います。
スポーツは本質的に「競技」ですので、
勝つために筋肉にかなり負担をかけて動きます。
早く動くために「腰を入れた動き」をやらず、
各部分の筋肉を急に動かしたり、急に止めたりします。
いちいち腰を入れていたんでは間に合わないのです。
腰を入れないで動くものですから腹が練れません。
腹が練れませんから丹田が活動しません。
丹田が活動しないから、意識レベルが上がらず
高い精神とつながりません。
また、健康的にも、腰を入れないで単に筋骨のつなぎ的に
腰を使うものですから、腰に対する加減を知らず、結局
無理な体勢をとってしまい、腰を痛めてしまいます。
武道(和良久)は、体の可動範囲を充分研究されつくして
技が組まれています。
無理な体勢は一切排除し、体に心地よい動きだけを行っています。
「運動神経」などという言葉は、俗には筋力の強くて早い反応のこと
を差しているようです。
武道は腰を中心に置いた独楽の軸のような動きを理想としています。
その軸の回転にしたがって、手足が動くというというを学びます。
歩きながら草を掻き分ける程度の力があれば武道は出来ます。
極端な話、ハナクソをほじる力があれば
いかなる相手にも技は掛けられるのです(笑)
中心からなる力にしたがって動くのが武道。
各部分の筋肉の力に任せるのがスポーツです。
内からの力か、外からの力か・・・の違いです。
もちろん我々は霊主体従の法則にしたがい
内からなる力を用います。
続く・・・