「五つの扉」
五つの方向に向け、75劒を行う型をそろそろ
皆様に稽古をしていただいております。
この型は、私(前田)自身のための稽古として
行っていたものですが、大本神戸本苑で
奉納させていただいた折、ある願いがあって公開、
そして伝授に踏み切る決意をしました。
その時、何か心が開いたような
明るい気持ちになりまして、
その後、これはやはり皆さんとともに
行うべきものかと思い、
徐々にではありますが、そのレベルに応じて
お伝えさせていただいております。
この型は、劒で行うものと、素手で行うものの二通りが
ありますが、いずれにしましても、
基本的な技術が習得された中級以上の人向きです。
75劒の内、「アオウエイ」がちゃんと出来れば、
技術的には、あとは足運びだけです。
技術的にと申しましたのは、この型は
「ウ」の状態をもって間をしめ、入り身、
受身などがあり、見えない部分を精一杯使う
「気」をふんだんに用いる型です。
全体の動く線は、星型のラインに沿っており、
その線上にゆっくり歩きながら、
気迫と間が培える稽古です。
間については、ご記憶の方もあるかもしれませんが、
素手で間をしめる「第一の間」、次に劒をとって
間をしめる「第二の間」、
そして相手と自分がしっかり間が詰まった状態で、
これ以上、お互いが入れない間になって、
なお、仕掛ける意味で一歩入る「第三の間」。
以上の三つがありますが、
この型の時は、第二の間から行っています。
星型に移動するのは、言霊の音韻表である
「ますみの鏡」の表を折っていくと五角形になり、
その延長線を結ぶと星型になるからです。
音声の立体化と言えます。
この型は、五大父音の水火を五方向に打って、
一霊四魂などのいわゆる「善魂」に反する「悪魂」を
退治する意味があります。
劒で行う型は、容易に行えますが、
問題なのが素手の場合です。
素手で行うには、八力を理解し、
劒でしっかり技を習得した方でないと困難です。
両手を組み、旋回させ螺旋を描きながら打つことは、
慣れないとかなり難しいものです。
それ以上に、型の最初に行う
「両腕で満身の力を込めて扉を開く動作」は、
かなりの水火の力を消費します。
その扉とは、おのおのの心の扉です。
人により、軽く開くのもありましょう。
重く、大きいのもありましょう。
また、その扉が自分という枠を超えて、
異次元の扉であることもあります。
良いことも悪いことも一気に出てくるこの扉。
かなりの覚悟をもって開くことが要求されます。
もしかしたら開かない人もいるかも知れませんね。
第一の扉を開き「ア」の水火を打って、幸魂を現す
第二の扉を開き「オ」の水火を打って、和魂を現す
第三の扉を開き「ウ」の水火を打って、直霊を現す
第四の扉を開き「エ」の水火を打って、荒魂を現す
第五の扉を開き「イ」の水火を打って、奇魂を現す
また、悪神への挑戦の覚悟をもって行う場合、
次のようになります。
闇に閉ざせし扉を打ち開き、決死の覚悟で侵入し、
悪神を追い詰めて、言霊劒で成敗する・・・
そんな、勇壮な先制攻撃的な要素も、
この型にはありますことを付け加えておきます。
和良久は戦わない武道では・・・とお思いの方には、
こういった殺伐な説明は驚かれることでしょう。
そうです。確かに和良久は絶対人とは争いません。
しかし、悪魔には容赦なく鉄槌を下します。
ツルギの技「和良久」は、対悪神用の武道です。
なお、この意味合いをもって型を行う場合、
75劒を使える者であるか、または75劒の使い手が
そばに一緒に居て型をやってくれることが条件です。
でないと、何が起こるのか私には少々不安です。
まだ様子をみている段階なので、今は皆様には
心に緩みが生じないように注意をしてほしいと思います。
とにかく面白半分でやらないことです。
この型、言霊劒の使命である「破邪顕正」を
断行する型といえます。
型には、以下のものがあります。
■左回り (凝、解、分、合で始まる劒)
ア・ワ・ヤ・マ・バ・パの各行
■右回り (動、静、引、弛で始まる劒)
ナ・ラ・タ・ダ・ガ・カ行の各行
<一例>
75劒 ア行の型
1、正面 「ア」
2、左回り 〜後方右斜め方向 「オ」
3、左回り 〜前方右斜め方向 「ウ」
4、左回り 〜左真横の方向 「エ」
5、左回り 〜後方左斜め方向 「イ」
もう、キリストのように、また、ある教団の教主のように、
人類の罪を一身に受けて悪を消滅させる手法を
繰りかえさせたくありません。
これまで、何度この手法を用いてきたのでしょう?
そして、一端は素晴らしい世に様変わりしたにも関わらず、
時を経て、人類にまた邪心がおこり、
同じことを繰り返さざるを得ないようになった・・・。
本当に何回も、何回も、何回もです。
選ばれた一人に苦しみを背負わせるのではなく、
神から下された武器と技をもって、
神の指定どおりの訓練を積み、我々が一致団結して
悪神と戦う時代がきたように思います。
誰か特定の者に頼るのではなく、一人一人が親離れして、
自分の脚で立ち上がる時がきたのではないでしょうか。
そして、もし人類の代表たる人物がいるなれば、
決してその者の足を引っ張ることことなく、
むしろ、その者を支え、援護して、明るい未来を
創っていく大いなる自力を
養成しなければならないと思います。
神は、一人一人に平等に力を与え、
強く支えてくださっています。それを信じることです。
さあ、もう、用意は出来ているのではないでしょうか?
とにかく「その時」に役に立てるよう、
心身を磨いておくことだと思います。
その時、壮烈な他力が加わるような自力を
もっていなくてはと思います。
その秘密が水火の螺旋です。
まず心と体が健康であること。
それが基本中の基本だと思います。
ご神業を云々いうのはそれからです。
和良久は、そういった面できっと
皆様の役にたつ練磨法となるでしょう。
続く・・・