75剱〜言霊剱 (15)
「かわす」
相手の攻めに対し、一般的なは凡そ以下のような「かわし方」があります。
1、正面からはじき返す
2、後ろにさがる
3、横によける
4、下にかがむ
5、後ろに回りこむ
6、飛び上がる
どれも相手の攻め方により、臨機応変に動くのですが、これはその場に
立ってみないとどれが適切か判断しかねます。
というのも、例えば相手が真っ直ぐ突いてきたとしましょう。
これをどうにかするといっても様々な処し方があります。
先に示した方法のどれを選択するかは、その時、その当事者の体調や
精神状態で様々です。
「これは絶対こうしなければならない」と言うものはありません。
(ただ八力は一定不変ですが)
その場に直面した当事者が「こうしよう」と好むやり方でよければ
いいのです。
ただ、よけてばかりじゃ埒があかないので、相手の攻めを
止めさせなければなりません。
つまり、受けたらすぐ何かの技を返して、相手の二打目を阻止するのです。
ということは、この自分の得意とする動き、この「二打目」が
円滑に出せるための初発の「受け」が大切になってくるのです。
受けから反しの円滑な流れ・・・「受け即攻め」を可能にするのは
毎度申し上げる「螺旋」しかありません。
例えば、ひとつの円があるとします。
これを半分に割って、その内の半円が受け、
もう一方の半円が攻めとなります。
この螺旋の運動にのって「足運び」がついてきます。
くれぐれも注意したいのは、足運びに合わせて技を出すのではなく、
技に合わせて足運びがあるということです。
先の「突き」に対する例に引き続き説明しますと・・・
1、正面からはじき返す・・・
その足腰は強く地に着いて踏ん張っていなければなりません。
でないと、相手の強い技にはじき返されてしまうからです。
2、後ろにさがる・・・
これは相手の突きが届かないように、体が後方へ反っていくので
足をバックステップします。
3、横によける・・・
体を左右に倒すようにして攻撃をかわします。
その時、足はやはり左右にステップします。
4、下にかがむ・・・
相手の突きを、体を沈めて上に通過させます。膝の屈伸がポイントです。
5、後ろに回りこむ・・・
軸足を定め、捻りを効かせて体を回転させ、相手の死角である
背後に回りこみます。
6、飛び上がる・・・
足や膝関節など、低い個所を狙ってきた時に使います。
縄跳びの様に高く飛び上がって、着地した瞬間に反撃を加えます。
和良久では、主に「出る」「後退する」「左右にかわす」
「回り込む」の四つを基本に稽古を進めます。
地に足の着いた動きをすることが冷静な判断を生み
的確な防御体制に入れることになります。
続く・・・