75剱〜言霊剱 (17)
「 宇 宙 」
先に申し上げました「対称の同時存在」に関連します。
宗教家や武道家が覚りに入った時に、宇宙との一体感を感じ
このように表現します。
「われ即宇宙なり」
さて、これはどういうことでしょうか?
まず宇宙について考えます。
言霊学的には「宇宙」は「ウ」の中にあることであり、
「空中の水霊、浮也、昇也、動也、生也、暗也」であります。
吸う息と吐く息が同時に存在している状態であり、
力の極みであり、力の根元であります。
これは前でもない、後ろでもない、右でもない、左でもない
下でもない、上でもない・・・という、肉体的にも精神的にも
まさに「中」に位置にいることなのです。
それはすべての存在を肯定でき、同時に否定できることであり、
前に言いました「一瞬と永遠が同時にある」ことを確認出来ることなのです。
稽古でこれを行います。
「打つ」と言うことは「受ける」ということです。
「受ける」と言うことは「打つ」ことなのです。
この相対するものを同時に存在させるという「攻防一体の理」が体現出来、
円運動から完全なる球体と化した時、
それを「絶対不敗の体勢」と言いますが、その絶対不敗の状態こそが
宇宙〜「ウ中」なのです。
この時、死は生と一致し、出会いは別れの始まりということが
直感できます。
奥山師の言う
「人類発生より一貫して流れる道統、そしてみろくの世実現に至る
使命感と自負」が強い感覚で理解でき、人として生まれて来た「誇り」
が生ずる瞬間です。
続く・・・