特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座76

宇宙の紋章

密教などでは祈祷の時にそのエネルギーを増幅させるために、
両手を様々な形に絡み合わせ「印」を組みます。

神道にも唯一「印」を組むものがあります。

それは、人差し指を立てて他の両手指を絡ませる印で、
「鎮魂帰神(ちんこんきしん)」の際に組むものです。

己が体の中府に神霊を降ろし、神と一体となるためのものです。

さて、話は変わりますが、和良久の稽古は、
あの一見不可思議と思われる動きをする「八力の型」があります。

実はあの動きこそ全身で「印」を組んでおり、
その形たるや最高の印となっていることを
皆さんはご存知でしたでしょうか?

まず、八力の型の動作を思い出してください。

両手を上げ下げする「天地の呼吸」を行って神との道を繋ぎ、
そして「八力の型」を行います。

まず「ス」の言霊で虚空に円を描きます。   <○>

次に「ウ」に入って中心に点をつけます。  <・>

そして「ア、オ、エ、イ」とタテとヨコの線を描いていきます。<+>

これを統合すると<○ ・ + >が組み合わさって、
「丸に点、十の字」の形が出来ます。

これは「宇宙の紋章」です。

最も強大、かつ神秘に満ちた図柄であります。

密教などの印は手で形をとりますが、
私たち和良久は五体を用い、全身で印を組みます。

しかも、それは基本の型のみに留まらず、
稽古のすべてにこの宇宙の紋章<○〜ワ ・〜ラ +〜ク >を
描き続けているのです。

「○」は体であり、拡がりであり、拡散であり、永遠です。

「・」は霊であり、まとまりであり、集中であり、一瞬です。

「+」は、火と水であり、霊と体であり、強さと柔らかさであり、
陰と陽であり、神人合一であり、神力そのものです。

この御形の意味は、無限のエネルギーを取り込み、
また放射し、堅固な結界を張り、創造主の守護を得るという、
目に見えない大きな大きなお守りを持つことでもあります。

心を清くもって、慎重に、己が五体を用いて、
正確にこの紋章を描けるように鍛錬を積むことが大切だと思います。

私たちは稽古で宇宙に帰るのです。


続く・・・